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【社会】

<税を追う>辺野古埋め立て 軟弱地盤に杭6万本 防衛省検討

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 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設を巡り、防衛省沖縄防衛局が、軟弱地盤の広がる埋め立て海域に、約六万本の杭(くい)を海面から深さ七十メートルまで打って地盤を強化する工法を検討していることが分かった。当初の計画では軟弱地盤を想定しておらず、大規模な追加工事となることは必至だ。専門家は「過去に例がないほどの深さの地盤改良で難しい工事。膨大な費用と時間がかかるだろう」と指摘する。(中沢誠) 

 軟弱地盤の存在が指摘されているのは、埋め立て海域の東側。地盤改良の工法は、防衛局の委託業者が、地盤調査の結果をもとに分析し、一月に報告書にまとめていた。

 報告書では、土砂を埋め立てる百五十三ヘクタールのうち、三分の一に当たる五十六ヘクタールが、地盤改良の必要な面積と見積もる。

 改良工事は二つの工法を採用。「ケーソン」と呼ばれる巨大なコンクリートの箱で埋め立て区域を仕切る護岸部分は、地中にパイプを打ち込み、砂などを流し込んで杭状に締め固め、地盤を強化する。埋め立て部分は、砂を流し込んだ後、パイプを引き抜き、砂を通じて地中の水分を抜いて地盤を固める。砂杭は、護岸部分で約四万本、埋め立て部分で約二万本が必要と試算。いずれも深さ七十メートルまで打ち込む。

 防衛局は、軟弱地盤などを理由とした県の埋め立て承認撤回を取り消すよう、国土交通相に行政不服審査請求中。県辺野古新基地建設問題対策課によると、報告書は軟弱地盤があっても対応可能とする防衛局側の主張を裏付ける証拠として作成されたものだという。

 防衛省側は審査請求中だとして地盤改良の検討内容や地盤調査の結果を公表していない。防衛局は本紙の取材に、「地盤改良に関わる具体的な設計などの検討は、現時点で答えることは困難」と回答した。

 安倍晋三首相は一月三十一日の衆院代表質問で、地盤改良のため設計変更する方針を政府として初めて認めた。設計変更は県知事の承認が必要だが、県は変更を認めない構えだ。

 辺野古新基地建設について、防衛局は当初の計画で総工費を二千四百億円としていた。県は、地盤改良工事だけでさらに五百億円かかると独自に試算している。

◆海面下70メートル 難易度高く

 <羽田空港の拡張工事で地盤改良の検討に関わった田中洋行・北海道大学名誉教授の話> 工法自体は標準的だが、問題は深さ。同じように軟弱地盤があり、難工事だった羽田空港D滑走路建設の改良工事でも改良の深さは(海面から)四十メートル前後だった。深さ七十メートルまで杭を打つ改良工事は私は聞いたことがなく、難易度は高いと考えられる。深くなるほど工費はかかるし、工期も延びる。

 

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