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【社会】

雇用水増し 障害者採用、倍率10倍 各地で国家公務員試験

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 中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、政府は三日、障害者を対象とした初の国家公務員試験を東京や大阪など全国九地域で実施した。この日は一次選考の筆記試験で、常勤職員として採用予定の六百七十六人に対し、十倍を超える六千九百九十七人が受験。国家公務員を目指す障害者が多くいることを改めて示した。

 政府は秋にも試験を実施するほか、個々の省庁でも非常勤職員を含め人材を確保する。年末までに約四千人を採用し、法律で定められた障害者雇用率2・5%の達成を目指す。雇用率は昨年六月一日時点で1・22%にとどまっている。

 今回の試験は、障害者手帳や医師の診断書などを持つ六十歳未満の人が対象。一次選考通過者は二十二日に発表し、各省庁の面接を経て、三月二十二日に合格者を発表する。原則として三月末までに採用するが、実際に働き始める時期は希望を考慮する。勤務先は地方出先機関が中心になる。

 一次選考は行政機関の庁舎や大学など、バリアフリー化された会場で実施。午前に知識や事務処理能力を試し、午後は作文を課した。

 受験を申し込んでいたのは八千七百十二人。内訳は精神障害57%、身体障害40%、知的障害3%だった。試験会場では本人の要望により、点字による出題や弱視者の試験時間延長、腕に障害がある人のパソコンでの解答などを認めた。

 人事院によると、試験は大きなトラブルなく終了。受験者への取材では「会場内外で職員が付き添ってくれ、助かった」との声が上がった。

 東京都内で受験した視覚障害者の女性(23)は「教員免許も持っており、合格したら文部科学省で教育や芸術の分野を充実させたい」と話した。

<障害者雇用水増し問題> 国の機関が職員に占める障害者の割合を計算する際、本来なら対象外の人を加え、法定雇用率を達成しているように見せ掛けていた問題。政府の検証委員会は昨年、28機関で3700人(2017年6月時点)の不適切計上を認定した。これまで国は障害者対象の試験を実施せず、健常者と同じ試験で採用していた。

 

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