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【社会】

岐阜・高山で17年5人死傷 介護施設元職員を逮捕

岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」=2018年7月

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 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で二〇一七年七〜八月、入所者の八十〜九十代の男女五人が相次いで死傷した問題で、高山署特別捜査本部は三日、うち一人に対する傷害の疑いで、施設の元職員で会社員の小鳥剛(おどりたけし)容疑者(33)=名古屋市南区戸部下一=を逮捕した。

 逮捕容疑では、一七年八月十五日午後二時十二分ごろ、入所していた横山秀子さん(91)=当時=の胸の辺りに何らかの暴行を加え、肋骨(ろっこつ)骨折や、それに伴う外傷性血気胸など二カ月のけがを負わせたとされる。横山さんは病院に搬送された後、同年十月三日に九十二歳で自宅で死亡した。県警の司法解剖の結果、死因は老衰だった。

 県警は小鳥容疑者の認否や暴行の詳細について「今後の捜査に支障がある」として明らかにしていない。

 施設では同年七月末から約半月の間に、横山さんの他にも、男性=当時(80)=が食べ物をのどに詰まらせて窒息で、別の女性=同(93)=が脳挫傷でそれぞれ死亡した。さらに八十代と九十代の女性二人が、何らかの原因で相次いで胸部に大けがを負って入院。このうち八十七歳(当時)の女性が、折れた肋骨が肺に刺さったことによる外傷性血気胸で死亡した。

 同年八月十八日、中日新聞の報道でこうした経緯が表面化。小鳥容疑者はその前日の十七日、施設側の求めで退職した。施設によると、死傷した五人全員の介護に関わっていたという。県警は二十三日、高山署に特別捜査本部を設置した。

 小鳥容疑者は今月一日、名古屋市内で本紙の取材に対し、「関係ありません」と入所者の死傷への関与を否定していた。

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◆取材やブログで関与否定

 小鳥容疑者は二〇一七年八月にそれいゆを退職した後、本紙取材やブログで入所者五人の死傷について自身の関与を強く否定。一方、過去に勤務した別の施設の元同僚からは「入所者への対応が不適切だとして問題になっていた」などと指摘する声もある。

 関係者によると、同容疑者は岐阜県内の工業高校を卒業。複数の職に就いた後、一五年十月から約十カ月間、高山市内の別の介護老人保健施設に勤務した。一六年八月からは、それいゆで働いていたが、五人が死傷した後の一七年八月、施設側の求めで退職した。

 問題発覚直後の取材には「(自分が犯人でないことは)間違いない」と強調。一七年九月ごろからはブログ(現在は閉鎖)で、入所者が死傷した時の様子をつづり、自身の潔白を主張した。施設側から自己都合を理由に退職するよう求められた時のことについては「身に覚えの無い俺は、辞めること自体納得出来ないし、これは自己都合ではないと訴えた」などと、書き込んでいた。

 一方、普段の仕事ぶりについて、同容疑者がそれいゆの前に勤務した別の介護老人保健施設の元同僚によると、認知症の入所者に「何度も同じことを言うな」と強い口調で対応し、上司から注意を受けていた。

 

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