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【社会】

ガス規制緩和審でも寄付 業界団体、3委員に計3900万円

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 都市ガス市場の規制緩和を議論する経済産業省の審議会トップと補佐役の委員ら計三人が委員就任前を含め、業界団体「日本ガス協会」(東京)から二〇一〇年以降計約三千九百万円の研究寄付金を受け取っていたことが共同通信の取材で、分かった。いずれも国立大学教授で、個人宛て寄付を大学を通じ受け取った。経産省は寄付を把握していないと説明している。

 携帯電話料金値下げを話し合う総務省の審議会でも携帯大手側から委員への寄付金が判明している。違法性はないが、業界側から金銭支援を受けたことがある学者が政策立案の重要な立場を担い、官庁もその影響に注意を払わない構図が改めて示された。

 寄付を受けていた審議会トップは一橋大大学院経営管理研究科の山内弘隆教授。審議会は電力・ガス基本政策小委員会と下部組織で、山内氏は両方で中心的役割を担っている。同氏は携帯料金値下げを議論する総務省の審議会でもトップを務め、携帯大手二社側から寄付を受けていた。

 山内氏は取材に対し、業界側が有利になるよう取り計らったことはないと説明。「寄付金公表が求められているという認識はない」とした。

 審議会に金銭授受を制限する規定はない。委員計二十三人中九人が所属する国公立大学に共同通信が情報公開請求し、ガス協会から寄付を受けた三人の記録が開示された。山内氏は委員就任前も含め一〇年以降、計千四百万円の寄付を受けた。

 エネルギー問題が専門で、小委員会と下部組織の両方でトップの補佐役を務める柏木孝夫東京工業大特命教授、横浜国立大大学院工学研究院の大山力(つとむ)教授も受領していた。柏木氏は自身の発言に関する寄付金の影響を否定し、大山氏は四日までに回答しなかった。

 経産省は「特定の業界団体や企業の利益のためだけの偏った議論とはなっていない」、ガス協会は「ガス事業の発展に寄与する研究への助成など幅広い取り組み」とした。

<都市ガスの規制緩和> 既存の大手都市ガス会社が地域ごとに独占してきた家庭向けの販売事業で新規参入を認める国の政策。電力市場と合わせて政府が掲げた規制改革の一つ。都市ガス市場は2017年に全面自由化され、一般消費者が新規参入した事業者とも契約できるようになった。発電用に天然ガスを保有する電力会社などと既存のガス会社を競争させ、料金低下やサービスの向上を促すのが狙い。

 

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