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【社会】

脱線数値改ざん JR北元幹部3人無罪 法人は罰金100万円

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 JR北海道で二〇一三年に起きた貨物列車脱線事故で、現場社員が改ざんしたレール検査数値を虚偽と知りながら国に報告したとして、鉄道事業法違反罪などで在宅起訴された当時の本社幹部三人に、札幌簡裁は六日、いずれも無罪判決を言い渡した。両罰規定に基づき起訴され、現場社員による改ざんを認めた法人としての同社は求刑通り罰金百万円とした。

 三人は、当時の工務部副部長奥芝義人被告(56)、いずれも保線課の担当課長だった小沢広一被告(54)、林孝幸被告(58)。三人への求刑は罰金四十万〜二十万円だった。

 結城真一郎裁判官は判決理由で「三人に改ざんの認識があったとするには合理的な疑いが残る」と指摘、事故直後の混乱の中、現場社員らから改ざんされた数値の報告を受けた状況を踏まえ「数値の変更を訂正と理解したとしても説明が可能」と述べた。

 一方、説諭で「刑事責任は問われないが、一定の責任はあった。現場の実情や実態は把握できた」と反省を促した。

 JR北海道については「事故の原因調査を著しく妨害し、悪質だ」と批判。「北海道という広大な大地の交通を担う自覚を持ち、たゆまぬ努力をしてほしい」と述べた。

 改ざんに関与した函館保線所などの現場社員十三人はこれまでに罰金の略式命令が確定。本社関与の有無が争点だった。

 同社の島田修社長は一六年十一月の初公判で、レールの横方向へのずれを示す「通り変位」の数値を現場社員らが改ざんしたことを認めたが、組織ぐるみの構図は強く否定。幹部三人も関与を否定し、無罪を主張した。

 事故は一三年九月十九日、北海道七飯町のJR函館線大沼駅構内で発生。検察側は、幹部三人はレール異常を放置していたことを隠すため、現場付近の通り変位が小さく書き換えられた検査記録を国土交通省や運輸安全委員会に提出したと主張していた。公判は一八年十一月まで二十五回にわたった。札幌地検の山口敬之次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対応したい」とコメントした。

<検査数値改ざん事件> JR北海道が、レール幅の異常な広がりなどを示す検査数値を書き換えて国に提出した事件。2013年9月の函館線大沼駅での貨物列車脱線事故で異常放置や改ざんが発覚、同社は44の保線部署のうち33部署で改ざんを確認し、75人を処分した。国土交通省や運輸安全委員会が告発し、検察当局は16年2月、事故調査に対し虚偽の検査数値を提出したとして、鉄道事業法違反罪などで当時の本社工務部副部長ら3人を在宅起訴した。同罪などで略式起訴された現場社員13人は罰金30万〜20万円の略式命令が確定した。

 

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