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【社会】

最後の砦 安心どこへ 養護施設虐待 少女、暴力も訴え 調査に加害職員同行

 虐待された子どもらにとって「最後の砦(とりで)」といわれる児童養護施設で発覚した、職員による虐待。通告を受けた東京都は調査して「ブス」などの暴言は認定したが、その後、暴力もあったという別の通告があり、再調査している。最初の調査や少女を守る態勢は十分だったのか。 (岡本太、石原真樹)

 都の資料では、グループホームは六人程度の子どもが暮らす施設。福音寮では、数人の職員がローテーションを組んで一人か二人で世話している。飯田政人園長(施設長)によると、昨年五月に児童相談所から「少女を連れてきて」と電話があった時、虐待の疑いとは知らなかったという。少女に付き添ったのは、後に虐待を認定された職員だった。

 都はホームのほかの子どもや職員へ聞き取りし「ブス」「遅い」「みんなが困っている」などの言葉を確認。心理的虐待として文書で改善を指導し、職員は福音寮の別の施設へ移った。

 だが昨秋、この職員から少女へ暴力もあったという別の通告が寄せられた。都は再調査の中で、少女が足を蹴られたことを別の職員に打ち明け「(この職員の子どもなら)精神的に死んでる」などと話したことを把握したもようだ。職員は今年一月に退職した。

 少女は数年前からこの職員の世話を受け、長年虐待された可能性もある。児相が少女の状態を把握していたのか疑問の声も上がる。

 関東地方の児相で勤務経験がある元児童福祉司の男性は、都の対応について「虐待被害を聞き取る際には、子どもへの十分な配慮が必要。虐待した職員を同行させることは本来ありえない」と驚く。「少女が職員の存在を気にして、本当のことを言えなかった可能性がある。児相の職員が少女の通う学校を訪れて話を聞くなど、ほかの方法を取るべきだった」と指摘した。

 都資料では、都内の児童養護施設での虐待は、年十件程度報告されている。

 

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