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【社会】

野田虐待 小4死亡、父再逮捕 顔を床に打ち付けた疑い

 千葉県野田市の小学四年栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件で、父親が事件前の昨年末から年明けにかけても、自宅で心愛さんに暴行を加えた疑いが強まり、県警は十四日、傷害容疑で、父親の勇一郎容疑者(41)を再逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。

 再逮捕容疑では、昨年十二月三十日ごろから今年一月三日までの間、自宅で長女の心愛さんの両腕を手でつかんで体をひきずり、顔を浴室の床に打ち付けるなどの暴行を加え、胸骨骨折や顔の打撲のけがを負わせたとされる。

 勇一郎容疑者は一月二十四日午前十時ごろから午後十一時二十分ごろの間、自宅で心愛さんに冷水シャワーをかけ、首付近をわしづかみにするなどしてけがを負わせたとして、翌二十五日に傷害容疑で逮捕。母親なぎさ容疑者(32)も共謀したとして、二月四日に同容疑で逮捕されていた。

 司法解剖の結果、死因は不明だったが、体に複数の皮下出血やあざがあった。

 捜査関係者によると、これまでの調べに対し、勇一郎容疑者は「しつけのためにやった。悪いことをしたと思っていない」との趣旨の供述をしていた。県警は、一月までの間に心愛さんが謝ったりしている様子をスマートフォンで撮影したとみられる動画を複数、押収し、経緯を調べていた。

◆児相の甘い判断 福祉関係者批判

 一時保護解除後に虐待のリスクが高まっていたのに、なぜ千葉県柏児童相談所は再び保護しなかったのか−。同県野田市の小学四年栗原心愛さんが死亡した事件を巡っては、県内で子どもの命に関わる児童養護施設の関係者らからも批判の声が上がる。

 「一時保護は原則として二カ月までだが、解除後に再び保護することは決して珍しくない。心愛さんを再び一時保護しないのは普通なら考えられない。柏児相の判断が甘いと言わざるを得ない」。児童福祉に携わる五十代の男性はそう指摘する。

 学校アンケートで父親からの暴力を回答したことから、柏児相は二〇一七年十一月、心愛さんを一時保護。同年十二月末、親族宅での生活を条件に一時保護を解除した。翌年二月末、虐待のリスクが高まっていることを把握しながら、自宅に戻ることを認めた。

 県内の児童養護施設の四十代の男性は、親族宅から自宅に戻す決定をする際、柏児相の児童福祉司による意見書が作成されていなかった点を問題視する。「意見書は児童福祉司が魂を込めて作るべきもの。多忙なことは分かっているが、一番重要な部分を怠るなんて信じられない」

 一方、県内の中学校の三十代男性教諭は「どの学校でも虐待が疑われる案件はある。だが一時保護で子どもを預かる児相、児童養護施設などはどこも満杯状態で、よほどの事情がないと受け入れてもらえない」と嘆いた。 (山口登史)

 

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