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【社会】

藤井七段が連覇 朝日杯 史上2人目、渡辺棋王破る

朝日杯将棋オープン戦で2連覇を達成し優勝トロフィーを手にする藤井聡太七段=16日、東京都千代田区で

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 将棋の最年少棋士、藤井聡太七段(16)が十六日、東京・有楽町であった第十二回朝日杯将棋オープン戦の決勝で、渡辺明棋王(34)を破り、連覇を達成した。連覇は二〇一三年度から三回連続で優勝した羽生善治九段(48)以来二人目の快挙。

 渡辺棋王は、タイトルを通算二十期獲得した強豪で、公式戦での初対局。後手番になった藤井七段は、ミスのない指し回しで中盤から少しずつリードを広げ、百二十八手で完勝した。

 同日午前に行われた準決勝では、第一回大会の覇者でもあるベテラン行方(なめかた)尚史八段(45)を百二十手で下していた。朝日杯将棋オープン戦は八大タイトルに次ぐ一般棋戦で、全棋士とアマチュア十人、女流棋士三人が参加する。対局は持ち時間各四十分の早指しで、観客約七百人が観戦した。

◆新旧天才対決 成長を証明

 公開対局の決勝の晴れ舞台で、藤井聡太七段と渡辺明棋王という新旧の天才少年の初手合わせが実現した。全国から集まった大勢の観客が目の当たりにしたのは、成長著しい藤井七段の舌を巻くような強さだった。

 渡辺棋王は中学三年でプロ入りを決め、加藤一二三・九段(79)、谷川浩司九段(56)、羽生善治九段に続く四人目の中学生棋士として脚光を浴びた。その後、タイトルを次々と獲得。長く棋界をリードしてきた。今期は特に好調で、トップ棋士らを相手に八割超の勝率をキープ。五人目の中学生棋士としてデビューした藤井七段と、勝率で首位争いを繰り広げている。二人の勝負は、将棋ファン待望の一戦だった。

 対局は両者とも中盤までがっぷり四つの展開に。不利とされる後手番を引いた藤井七段は先に持ち時間を使い果たし、一手六十秒未満で指さなければいけない「一分将棋」に突入した。わずかな時間に的確な判断を求められ、薄氷を踏むような状況の中、藤井七段は一時間以上にわたってミスなく指し続けた。そして少しずつリードを広げてゆき、最後は大差をつけての快勝。精神力の強さをあらためて見せつけた。

 藤井七段は今回、羽生九段や佐藤天彦名人(31)ら棋界を代表する面々がひしめくトーナメントを危なげなく勝ち抜いた。すでにタイトルを手にする実力があることは疑いようがない。それでも対局後、「長い持ち時間の戦いでは、精度に差が出てしまうことがある。もっと地道に力をつけなければ」と語る姿は、いつものように謙虚だった。 (岡村淳司)

◆落ち着いて指せた

<藤井聡太七段の話> 最後まで難しかった。途中から攻める展開になったが、少し苦しくしてしまった場面もあり、渡辺棋王の力を感じた。多くの方に見ていただく環境の中で、落ち着いて自分の将棋を指すことができた。昨年に続いて優勝できてうれしい。

◆中盤の勝負手逃す

<渡辺明棋王の話> 藤井七段との初手合いを楽しみにしていた。中盤の勝負手を逃してからは一方的になってしまい、藤井七段特有の終盤戦の力を見ることができずに早々に駄目にしてしまった。決勝戦としては物足りない内容となり、申し訳ない。

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