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【社会】

紛失遺品記載文書を破棄疑い 埼玉県警、元警官を書類送検へ

 埼玉県警が二〇〇九年のひき逃げ事件(未解決)で死亡した小学四年男児の腕時計を紛失した問題で、事件を担当した熊谷署の元男性警部補=定年退職=が、腕時計の記載があった押収品目録の交付書を男児の母親から回収して破棄し、記載をなくした交付書を新たに渡していたことが捜査関係者への取材で分かった。県警は公文書毀棄(きき)の疑いで元警部補を書類送検する方針。 (浅野有紀)

 腕時計は、〇九年九月に埼玉県熊谷市で車にひき逃げされて死亡した小関(こせき)孝徳君=当時(10)=の遺品。母親からの十歳の誕生日プレゼントだった。事件当時も身に着けており、母親が事件直後に署に任意提出していた。

 今年一月に紛失の事実が報道され、県警は「昨年十月に証拠品を精査して判明した」と説明していた。誰がいつ紛失したか明らかになっておらず、県警が調査している。

 捜査関係者によると、元警部補は一五年九月、署に腕時計がないことに気付き、任意提出された物品を記載して母親に渡していた押収品目録交付書を、回収して破棄。腕時計の記載をなくした交付書を新たに作り、母親に提出した。

 元警部補は、県警の聞き取りに対し「実態に合わせて書類を作った」と話しているという。

 県警は交付書を破棄した行為について、公文書毀棄にあたると判断した。

 一方、母親の代理人弁護士は「腕時計をなくしたことを隠すために文書を回収して破棄し、新たに虚偽の文書を作ったのではないか」と指摘。虚偽公文書作成の疑いもあると主張している。

 県警は、新たに文書を作成した行為は、腕時計がないという実態に沿ったもので隠蔽(いんぺい)の裏付けが難しいとして、同容疑での立件には慎重な姿勢だ。

 代理人弁護士は「虚偽公文書作成容疑で立件しないのであれば、刑事告発も検討する」としている。

 ひき逃げ事件は未解決で、一六年に道交法違反(ひき逃げ)罪の公訴時効が成立した。

 自動車運転過失致死罪も今年九月三十日午前零時に時効を迎える。

 

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