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【社会】

<税を追う>辺野古埋め立て見積もり 土砂単価、護岸用の3倍

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 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、防衛省沖縄防衛局が埋め立て用土砂の単価について、同じ素材を使う護岸建設用の土砂に比べ、三倍も割高に見積もっていたことが分かった。発注時期は異なるものの、同じ現場で同じ資材の単価に大きな開きが生じるのは異例。埋め立て土砂の購入費は発注分だけでも、護岸用の単価で計算するより四十五億円も過大になる。 (中沢誠)

 沖縄防衛局は昨年十二月から、辺野古沿岸部の一部で土砂投入を始めた。この工区では、県内産の「岩(がん)ズリ」という砕石を使うことになっており、護岸建設にも岩ズリを使う。

 防衛局が受注業者に工事内容を指示する特記仕様書には、岩ズリの単価や使用量が明記されている。それによると、二〇一四年度に発注した、埋め立て区域を「ケーソン」と呼ばれる巨大なコンクリートの箱で仕切る護岸建設では、約二千立方メートルの岩ズリを使う。単価は運搬費を除き、一立方メートル当たり「千八百七十円」となっている。

 一方、一七年度に発注した埋め立て工事で見積もった岩ズリの単価は運搬費を除いて「五千三百七十円」。護岸用の三倍となり、差額は三千五百円にもなる。運搬費を含めた単価は一万一千二百九十円に上る。

 現在、埋め立て区域のうち南側の五工区が契約済み。五工区で必要な土砂の総量は百二十九万立方メートルでいずれも護岸用と同じ県内産の岩ズリを使う。五工区の土砂購入額を、防衛局が見積もった単価五千三百七十円で計算すると六十九億円。護岸用の単価であれば二十四億円にとどまる。

 防衛省では工事の材料単価を決める場合、内規で三社以上から見積もりを取ることになっているが、防衛局は埋め立て用土砂の単価を一社だけの見積もりで決めていた。

 国の出先機関である沖縄総合事務局が見積もる岩ズリの単価は運搬費込みでも一立方メートル当たり三千円台。辺野古の埋め立て土砂の単価について、採石業界からも「相場より高い」との指摘が出ている。

 埋め立て土砂を巡っては、県がサンゴなど自然環境に悪影響を及ぼす粘土性の「赤土(あかつち)」が大量に含まれている恐れを指摘している。

 本紙は防衛省に岩ズリの単価が異なる理由を尋ねたが、十八日夜までに回答はなかった。

◆通常はありえない

<有川博・愛国学園大学教授(公共政策)の話> 発注時期に三年の違いがあっても、同じ資材の単価が三倍も開くことは通常、ありえない。しかも、大量発注した方が単価が安くなるものなのに、逆に高くなっている。一社からしか見積もりを取っておらず、急いで大量に発注しようとして、業者に足元を見られたのではないか。積算根拠が非常に不透明で、沖縄防衛局は国民や県民に説明する責任がある。

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