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【社会】

<税を追う>辺野古 地盤強化に限界 関空は予測超す沈下 開港24年、今もかさ上げ

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、埋め立て海域の軟弱地盤が海面から最大九十メートルの深さに達していることが明らかになった。必要な地盤改良工事は海面から七十メートルまでが限界で、専門家は完成後も地盤沈下が続く可能性を指摘。同様に軟弱地盤の海域に建設された関西国際空港では、完成から二十四年たった今も、予測を超えて沈下が進んでいる。 (中沢誠)

 「毎日どこかしらで護岸のかさ上げ工事をやっていますよ」。関空を運営する関西エアポートの担当者はそう話す。関空は大阪湾泉州沖を埋め立てて造った人工島で、地盤沈下が続く。同社は、沈下対策を含めた維持費が今後五年間だけでも一千億円かかるとみている。

 関空は辺野古と同じヘドロ状の軟弱地盤の上に立つ。地中に砂杭(すなぐい)を打ち込む地盤改良を図ったが、工事は難航。二つの人工島のうち、最初に完成した一期島の総工費は一・五倍に膨らみ、開港も一年半遅れた。

 厚さ二十メートル程度の軟弱層の底まで改良を施していたが、その下の洪積層である粘土が予想以上に軟弱だった。開港後もしばらく沈下は続くと見込んでいたが、実際の沈下は予測を上回るものだった。

 一期島では当初、開港から五十年間で平均一一・五メートル沈下すると予測したが、二十三年後の二〇一七年末時点で既に一三・二五メートルも沈下している。昨年九月の台風では高波が護岸を乗り越え、空港が浸水。約十日間運航が停止した。

 辺野古の軟弱地盤の厚さは、関空を超える最大六十メートル。しかも、杭が届かないため、関空のように軟弱層の底まで地盤改良することができない。

◆埋め立て土砂 空港工事比でも割高

 辺野古の米軍新基地建設に使う埋め立て用土砂の「岩(がん)ズリ」の見積単価が割高になっている問題で、岩屋毅防衛相は十九日の閣議後会見で、「価格は調達時期や需給状況によって変動する。那覇空港の滑走路増設事業などがあったので、岩ズリの需要が増加した」と述べた。

 だが、那覇空港で使っている岩ズリの見積額は辺野古の単価よりも一立方メートル当たり四千円も安く、割高となった根拠を十分示せていない。

 沖縄防衛局が見積もった辺野古の埋め立てに使う岩ズリの単価は、運搬費込みで一立方メートル当たり一万一千二百九十円(運搬費を除けば五千三百七十円)。これに対し、同じ県内産の岩ズリを使う那覇空港の第二滑走路埋め立て工事では、発注した沖縄総合事務局が運搬費込みで七千二百五十円と見積もっている。

 沖縄総合事務局の担当者は「大規模な工事だったため、特別に調査会社に見積もりを依頼し、価格を設定した」と話している。

 岩屋氏は会見で、一万円以上の見積単価は「妥当な価格だった」とし、「経費抑制は大事な課題。所要額を精査し、適切な予算執行に努めたい」と語った。

 防衛局は二〇一四年度に発注した護岸建設に使う岩ズリの単価を、運搬費を除き一立方メートル当たり千八百七十円と見積もっていたが、一七年度に発注した埋め立て土砂は三倍も割高な同五千三百七十円と算定。業界などから「相場より高い」との指摘が出ている。 (原昌志、中沢誠)

 

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