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【社会】

原発事故避難 国に5度目賠償命令 横浜地裁 東電の責任も認定

「勝訴」と書かれた垂れ幕を掲げる原告団の弁護士=20日午前、横浜市中区で(土屋晴康撮影)

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 東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から神奈川県などに避難している六十世帯百七十五人が、国と東電にふるさとでの生活を奪われた慰謝料など約五十四億円を求めた訴訟の判決で、横浜地裁(中平健裁判長)は二十日、両者の責任を認め、百五十二人に対する約四億二千万円の支払いを命じた。

 全国で約三十の同種の集団訴訟で八例目の判決。国が被告となった六件のうち責任を認めたのは五件目。

 訴訟では、原発事故を引き起こした巨大津波を国と東電が予見して対策を取ることが可能だったかや、避難区域外からの自主避難者への賠償が妥当かどうかが主な争点だった。

 中平裁判長は判決理由で、二〇〇九年の報告で敷地高を超える津波の到来を予見できたと指摘。非常電源設備を移設していれば、1号機の水素爆発は回避できたとし、「国はただちに行政上の手続きに着手すべきで、遅くとも一〇年には実現が可能だった」とした。

 自主避難については、原告の状況に応じて慰謝料を支払うのが妥当だとした。

 閉廷後、村田弘原告団長は「国の責任を認める司法判断が下されたのは大きい。賠償も大筋で認められ、全体では八分咲きという印象。事故は国と東電の人災。ただちに避難者の救済に責任を持って取り組んでほしい」と述べた。原告団事務局長の黒沢知弘弁護士は「今までの賠償額より前進しており、実質的な勝訴。国の責任が五回も断罪された。これ以上争うなと言いたい」と話した。

 <東京電力ホールディングスのコメント>事故により、福島県民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご迷惑とご心配をお掛けしていることを改めて心からおわび申し上げる。横浜地裁の判決については、内容を精査し、対応を検討していく。

 <原子力規制庁のコメント>国の主張について裁判所の十分な理解が得られなかったと考えている。原子力規制庁としては引き続き適切な規制を行っていきたい。

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