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【社会】

白血病治療の新製剤を了承 人工遺伝子で免疫力向上 5月にも保険適用

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 厚生労働省の専門部会は二十日、一部の白血病を治療する新型の細胞製剤「キムリア」の製造販売を了承した。人工遺伝子で患者の免疫細胞の攻撃力を高める「CAR−T細胞」を利用した国内初の治療法で、三月にも正式承認され、五月にも公的医療保険が適用される見通し。臨床試験(治験)で既存の治療法が効かない患者にも効果が得られたことから注目を集めており、他のがんに応用する研究が世界的に活発になっている。

 欧米では既に承認されているが、米国では一回の治療が五千万円以上に設定され、高額な費用が問題となっている。

 日本でも今後、価格が決定されるが、保険適用が認められた当初、年約三千五百万円かかるとして話題になったがん治療薬「オプジーボ」よりも高くなる可能性がある。利用できるのは、抗がん剤が効かなかった人などに限定しており、年間二百五十人程度と見込まれる。

 CAR−T細胞はキメラ抗原受容体T細胞の略。患者の血液から免疫を担うT細胞を採取し、さらに人工的に作った遺伝子を導入して作製する。これを点滴などで患者に戻すことで治療する。遺伝子をうまく設計することによって、特定のがん細胞にくっつきやすくし、攻撃力を高める。

 キムリアは、製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が製造販売を申請。治療対象は、血液がんの「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」の二十五歳以下の患者と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の患者。使用できるのは副作用に対応できる病院のみとする。治療で使うCAR−T細胞の加工は、米国で行うが、神戸市で実施する計画もある。

 日本の患者が参加した治験は、白血病で約八割、リンパ腫で約五割の患者に効果があった。一方で過剰な免疫反応による発熱や筋肉痛などの副作用が多くの患者で出た。

 この日の部会では国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」も五年間の期限付きで製造販売が了承された。

 バイオ製薬会社アンジェス(大阪府)が申請し、血管が詰まり足などが壊死(えし)する「慢性動脈閉塞(へいそく)症」の患者が対象。HGFという遺伝子を、詰まった部分の周囲の筋肉で働かせ、新たな血管を作らせる。

 

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