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【社会】

非正規に退職金初認定 東京高裁「正社員の4分の1」

 東京メトロの子会社「メトロコマース」の契約社員として、駅の売店で販売員をしていた女性四人が、正社員との間に不合理な待遇格差があるとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十日、「長期間勤務した契約社員に退職金の支給を全く認めないのは不合理」として、四人のうち二人に四十五万〜四十九万円の退職金を支払うよう命じた。

 一審東京地裁判決は請求の大半を棄却していた。非正規労働者には退職金が支給されないケースが多い。原告側弁護団によると、支払いを認めた判決は初めて。

 川神裕裁判長は、原告の二人が十年前後にわたって勤務していたことから「退職金のうち、長年の勤務に対する功労報償の性格をもつ部分すら支給しないのは不合理だ」と述べた。金額は正社員と同じ基準で算定した額の「少なくとも四分の一」とした。

 判決は、住宅手当に関しても、生活費補助の側面があり、職務内容によって必要性に差異はないと指摘。三人への十一万〜五十五万円の支払いを命じた。

 一審と同様、早出残業手当の割増率の格差は不合理と判断したほか、正社員とは配置転換の有無などの労働条件が異なるとして、賃金や賞与などの格差は容認した。原告側は認められた支給額が低いとして上告する方針。

 メトロコマースは「判決文が届いておらず詳細が分からないので、コメントは差し控えたい」としている。

◆駅売店員「5年闘い一歩前進」

 「五年間闘って、当たり前のことが認められた。一歩前進だ」。待遇格差訴訟で東京高裁が非正規労働者への退職金支給を初めて認めた二十日、原告の一人後呂(うしろ)良子さん(64)は東京都内で記者会見し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 今もメトロコマースに駅の売店員として勤務。節約のため、昼食は駅のホームのベンチに座っておにぎりを食べる。判決後に「これからも声を上げ、非正規労働者の賃金を底上げしていきたい」と力を込めた。

 判決は支給を認めたものの、額は正社員の四分の一と算定し根拠は示さなかった。原告側弁護団の滝沢香弁護士は「支給を認めたことに意義はあるが、極めて低額。上告して最高裁に是正を求めたい」と話した。

 

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