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【社会】

コマツ、陸自車両開発中止 米兵器輸入増 採算とれず

コマツが製造した自衛隊の軽装甲機動車

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 自衛隊の車両などを生産する大手建設機械メーカー「コマツ」(東京都港区)が、自衛隊車両の新規開発を行わない意向を、防衛省側に伝えていたことが分かった。開発コストなど採算性の問題という。政府は国内防衛産業の強化を掲げているが、米国製の兵器輸入が増大する中、国内企業の苦しい状況が浮かんだ形だ。

 防衛省の二〇一七年度の中央調達実績では、同社と二百八十億円の契約を結んでおり、企業別契約額で七位。過去五年でもいずれも十位以内に入っている。軽装甲機動車(LAV)やNBC(核・生物・化学兵器)偵察車、りゅう弾などの弾薬を手掛けている。

 同社や防衛省関係者によると、防衛省側は一昨年ごろから、陸上自衛隊を中心に配備されているLAVの改良版の調達を打診。合わせて将来的な新規開発も協議していた。

 これに対しコマツ側は調達量が見込めないとして昨秋「現状が続く限り車両の新規開発は行わない」と断った。改良版についても引き受けていない。担当者は「採算性がなければ開発や生産基盤を維持できない」と話す。NBC偵察車と弾薬の生産は続けるという。

 LAVは旧防衛庁とコマツが開発。防弾性能や火器の搭載機能を備え、〇一年度から配備が開始。イラク派遣など国連平和維持活動(PKO)でも活用された。これまで二千両を導入し、最盛期は年間二百両を調達していたが、一七年度は約四十両となっている。一両あたり三千万〜四千万円。

 防衛装備の調達を巡っては、第二次安倍政権になって以降、米国製兵器のFMS(対外有償軍事援助)調達が急増。契約ベースで、一二年度に千三百八十一億円だったのが、一九年度は約五倍の七千十三億円に膨れており、国内産業への圧迫が指摘されている。 (原昌志)

 

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