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【社会】

低い山でも油断大敵 京都・大文字山で遭難者急増

京都の街中に近く、アクセスが良い大文字山。「大」の文字の周辺からの眺望が人気だ=いずれも京都市左京区で

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 「五山送り火」で知られる京都市の大文字山(標高四六五メートル)で近年、遭難者が相次いでいる。京都の観光客増加や登山ブーム、軽装備で入る登山者が増えたことなどが要因とみられる。一時間ほどで登れる手軽さや眺望の良さが魅力だが、迷いやすい場所も多い油断大敵の低山だ。 (深世古峻一)

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 住宅街から程近い大文字山。山歩きを楽しむお年寄りやランニングウエアをまとった若者らに交じって登山道をしばらく登ると、正しいルートを示す赤い印があちこちの木の幹に示されている。分かりにくく、道を外れてしまいそうな所も目に付いた。登山を日課にする同市の無職男性(71)は「千回以上は登っているが、迷ったことが何度かある。山がいくつも連なっているので迷うと方向感覚が狂い、すぐに登山道へ戻れない」と打ち明ける。

 山を管轄する京都府警川端署によると、二〇一七年は十件、一八年は九件の遭難が発生。死者こそ出ていないが、いずれも府内の山では最多。一九年は一月だけで二件。七十代女性が体調不良となり、三十代と四十代男性が道に迷った。

 一四〜一六年の三年間は二件のみで、近年の急激な増加ぶりがうかがえる。署の山崎一寿地域課長は「京都への観光客が増えた時期と重なっている」と話す。大文字山登山道入り口は銀閣寺や南禅寺といった人気観光地のすぐ近くにあり、観光客がアクセスしやすい。銀閣寺の裏手から三十分ほど歩けば「大」の文字の周辺にたどり着く。京都の街を一望できるため人気を集めている。

 地図やコンパスを持たなかったり、スニーカー、サンダルなど軽装備だったりする登山者も増えた。また、一八年は遭難者十人中、五十代以上が七人。心臓に持病を抱えたまま登るなどして体調不良で動けなくなる高齢者も多いという。

 署は登山者への持ち物アンケートの実施や、最寄り駅での掲示物で注意を促している。山崎課長は「体力に余裕がないときは無理しないことが一番。万が一の事態に備え、衛星利用測位システム(GPS)機能がついた登山アプリをスマートフォンにダウンロードするなどの対策をしてほしい」と呼び掛ける。

京都府警川端署が実施する持ち物などのアンケートを受ける大文字山の登山者(左)

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