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【社会】

「辺野古反対」示した翌日 続く工事 「沖縄をもう苦しめないで」

元看護学徒隊の名城文子さん

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 「政府はこれ以上、沖縄を苦しめないでほしい」。沖縄戦に看護学徒隊として動員された名城(なしろ)文子さん(91)=沖縄県宜野湾(ぎのわん)市=は、切にそう願う。米軍普天間飛行場(同市)の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り七割超が「反対」を示した県民投票の結果を受け、強引に工事を進めようとする政府に「真剣に県民のことを考えて」とくぎを刺した。 

 投票日の二十四日、高齢で脚が悪くなった名城さんは、つえをついて自宅近くの投票所に一人で向かった。「頑張らんといかん」。移設反対運動に参加できないもどかしさを、一票に込めた。

 積徳高等女学校四年生だった一九四五年三月、「ふじ学徒隊」として従軍。野戦病院壕(ごう)で、傷口からうじ虫がわく負傷兵の手術を手伝うなどした。艦砲射撃の弾が飛び交う中での水くみは命がけで、至近弾で意識を失ったこともある。

 「ひめゆり学徒隊」にいた妹は集団自決し、母や幼い息子を抱えた姉も犠牲に。父は沖縄戦の前に、船上で米軍の攻撃を受けて命を落とした。生き残った申し訳なさを感じながら、「次の世代に同じ道を歩ませてはいけない」と修学旅行生らに体験を語ってきた。

 自宅は普天間(ふてんま)飛行場に近く、米軍機が騒音をまき散らして低空飛行する。「落ちないかと怖くてひやひやするよ。戦争が終わってほっとしたのに、いつまでこんな思いをさせられるのか」。相次ぐ事故に不安が募り、一日も早い撤去を願う。

 一方で「危険だから普天間から撤去するのに、少し距離を離せば問題ないのか」と、同じ苦痛を辺野古に押し付けようとする政府に腹立たしさを感じる。反対が圧倒した投票結果を機に、基地問題に翻弄(ほんろう)され続ける沖縄のことを「全国民で考えてほしい」と求めた。

 

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