東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

<取材ファイル>迫る時効、母「真実知りたい」 小4ひき逃げ死 ブログで情報求める

孝徳君の写真を前に「真実を知りたい」とブログをつづる代里子さん=埼玉県熊谷市で

写真

 埼玉県熊谷市で二〇〇九年、小学四年生の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、母・代里子さん(46)が情報提供を呼び掛けるブログを立ち上げた。事件から十年が過ぎ、時効が今年九月に迫る。「真実を知りたい」と痛切な思いをつづっている。 (浅野有紀、森雅貴)

 「一人でも多くの方にまだ、犯人が捕まっていないことを知って頂きたいです。どんな些細(ささい)なことでも構いません」

 ブログは今年一月に開設。苦手なパソコンに向かい、当時の状況などを記している。同二十五日に書いたタイトル「お守り」では、孝徳君がサッカーの合宿のお土産にリンゴのキーホルダーをくれた思い出をつづった。

 「もごもごした話し方で『りんごの…キーホルダーは…笑顔が…お母さんに似てるから…』日々怒ってばかりの私だったので、息子のはにかんだ笑顔に泣いてしまいました」

 孝徳君が四歳の時に父親が病死し、二人で寄り添って生きてきた。そんな日々が〇九年九月三十日、奪われた。

 代里子さんは仕事が遅くなり、書道教室に行っていた孝徳君は、この日に限って一人で帰宅。三日後には、孝徳君が楽しみにしていたJリーグの試合観戦がある。代里子さんは、お弁当に入れようと、スーパーに寄って彼の好きな梨を買い、帰宅した。

 ところが、いるはずの息子の姿はなかった。午後六時五十分ごろ、孝徳君は自転車で帰宅途中、車にはねられて死亡していた。

 目撃者がおらず、物的証拠もタイヤ痕ぐらいと乏しい事件で、捜査は難航。代里子さんは、手掛かりになればと何年も事故の時間帯に現場へ通い、通行する車のナンバーと進行方向をメモした。同級生の母親たちも協力し、熊谷署へ提出した資料は延べ約九万台分に上った。

 それでも解決には至らず、一六年に道交法違反(ひき逃げ)罪の時効が成立。自動車運転過失致死罪の時効も今年九月三十日に迫っている。

 昨年十月には、署が保管していた遺品の腕時計を紛失したことが分かった。代里子さんから孝徳君への十歳の誕生日プレゼントで、身元確認の決め手になったものだった。当時の担当警察官は紛失後、腕時計の記載があった押収品リストを破棄していたことも判明。この件を報道で知った周囲から「時効は過ぎたと思っていた」などと言われることもあり、捜査の進展に不安は募るばかりだ。

 代里子さんは「なぜ孝徳が亡くなったのか。犯人には、逃げ続けないで本当のことを語ってほしい」と願っている。

     ◇

 ブログのタイトルは「《未解決》熊谷市死亡ひき逃げ事故《時効まであとわずか》」(https://blogs.yahoo.co.jp/awquu69587)。情報提供は、高橋正人法律事務所=電03(3261)6181=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報