東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

部長の自殺 労災認定 エーザイ、月100時間超の残業

 製薬大手エーザイの部長だった五十代男性が二〇一六年に自殺したことに対し、天満労働基準監督署(大阪)が、部長昇進に伴う仕事量の増加や月百時間超の時間外労働(残業)による強いストレスが原因の過労自殺だったとして労災認定したことが分かった。

 認定は二月十八日付。遺族側は、昇進直後の長時間労働や亡くなるまでの八年間で八千時間超の残業があったと申し立てたが、労基署は昇進後の長時間労働だけで労災に該当すると判断。八年間の労働実態については判断を示さなかった。男性は「管理監督者」として扱われ、残業時間制限がなかった。四月からの働き方改革で残業は月百時間未満に制限。しかし管理監督者は対象外で、過労死をどう防ぐか議論を呼びそうだ。

 亡くなったのは泰敬(やすゆき)さん=当時(50)=(姓は遺族の希望で非公表)で、大阪市内に住む妻(52)が昨年労災申請した。

 泰敬さんは一九九〇年、エーザイに入社し、二〇〇八年四月、関西のドラッグストアなど小売店営業を統括する部長に昇進した。申請によると、昇進前から残業時間が急増し、五月は百二十六時間、六月は百四時間に達し、うつ病を発症。八年後に京都市内の単身赴任先で自殺した。

 遺族や代理人の岩城穣(ゆたか)弁護士によると、労基署は昇進後の仕事の増加や月百時間を超える残業を確認した。うつ病を発症したのは〇八年八月ごろとし、亡くなるまで回復せず治療が続いたため、仕事の負荷とうつ病発症や自殺との因果関係があると判断した。

 泰敬さんの妻は「製薬会社としてこのような働き方が精神疾患を起こす危険性をどの企業よりも認識できたはずであり企業責任は重大だ。会社には管理職も労働時間を記録する健康管理制度があるのになぜ自殺を防げなかったのか教えてほしい」と話した。エーザイは「極めて重く厳粛に受け止める。長時間労働の是正を進めてきたがより一層徹底したい」とコメントした。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報