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【社会】

那須雪崩、3教諭書類送検 山岳部員ら8人死亡 業過致死傷疑い

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 二〇一七年三月、栃木県那須町で登山講習中の高校山岳部員ら八人が死亡、四十人がけがをした雪崩事故で、県警は八日、雪崩の危険を十分に検討することを怠り、生徒らを死傷させたとして、業務上過失致死傷の疑いで、亡くなった県立大田原高山岳部員らの班を率いた菅又久雄教諭(50)ら三人を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。

 他に書類送検したのは、麓の本部付近にいた講習会責任者の猪瀬修一教諭(52)、大田原高の後続の班を引率していた渡辺浩典教諭(56)。

 三人は一七年三月二十七日早朝、前夜以降に三〇センチ超の新たな積雪があり、雪崩の危険があったにもかかわらず、那須町のスキー場周辺で雪上歩行訓練の実施を決定。急斜面で雪崩に巻き込まれた生徒七人と登山初心者の教員一人を死亡、他の参加者にもけがをさせた疑いが持たれている。

 県教育委員会は昨年三月、講習会を安全に実施する責任を果たさなかったとして、三人を三〜五カ月の停職処分にした。遺族と弁護団は今年一月、宇都宮地検に徹底した捜査と厳重な処分を要請していた。

◆「知識足りず」遺族に謝罪

 栃木県警が業務上過失致死傷容疑で書類送検した教諭三人は、県側の遺族説明会に複数回出席。雪崩の知識不足があったと説明したほか、生徒らを急斜面に進入させた判断の甘さを謝罪していた。

 関係者によると、事故当時、講習会責任者として麓の本部にいた猪瀬修一教諭は説明会で、事故の一報を受けて「生徒たちの姿が見えない。どこまで行ったのか」と驚いたことを明かした。当日朝に実施を決めた雪上歩行訓練は明確な範囲を設定しておらずゲレンデ周辺にいると思い込んでいたという。

 亡くなった大田原高の生徒らを率いた菅又久雄教諭は、ゲレンデ上部の樹林帯を抜けた先、最大傾斜約三八度の急斜面まで進んだ。

 菅又教諭は「雪の状態や過去の登山経験から、大丈夫だろうと考えた」とした。雪崩が起きる危険性のある傾斜について「私が持つ冊子では、三五度以上が危険だとある。現場は三〇度程度だと思った」と釈明し「雪崩への知識が足りなかった」と謝罪した。

 急斜面に向かう菅又教諭らの姿を見ていた渡辺浩典教諭は「菅又教諭は海外での登山経験もあり、大丈夫だろう」と考え、注意を促していなかったと話していたという。

<那須雪崩事故> 2017年3月27日午前8時半すぎ、栃木県那須町の那須温泉ファミリースキー場周辺の国有林で、県高等学校体育連盟登山専門部の「春山安全登山講習会」に参加した県立大田原高などの山岳部員らが雪崩に巻き込まれ、同校の生徒7人と教員1人が死亡。40人がけがをした。県教育委員会が設置した第三者検証委員会は17年10月の最終報告書で、同校を引率した教諭に「雪崩の予見可能性があった」と指摘。登山専門部の危機管理意識の欠如が事故の最大要因とした。

 

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