東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

公立福生病院「透析中止」の選択肢 腎臓病男性、ブログで発信「未来の希望まで奪うな」

山本大輔さん=本人のブログから

写真

 「医療の発展で健常者としてまた生活できる日を夢見て、つらい人工透析に耐えているのに、未来の希望まで奪うんじゃねぇ」。東京都の公立福生病院の医師が、腎臓病の女性患者に「死」の選択肢を示していた問題に対し、北九州市の山本大輔さん(34)が自身のブログ上で憤りの声を上げた。

 山本さん自身も腎臓病を患い、二〇〇四年に透析治療を始めた。週三日、大きな針を腕に刺し、五時間を病院のベッドの上で過ごす。心身にかかる負担は大きく、うつ病や貧血、不安定な血圧、不眠症などに悩まされてきた。

 二十代のとき、透析を拒み、命を危険にさらしたことも。通院先の病院がある地元を離れ、青森まで車で向かった。

 自殺を踏みとどまれたのは「生きてほしい」と言ってくれた友人の言葉だった。担当の医師は、いつ戻ってきても透析治療ができるように二十四時間態勢で待っていてくれた。

 透析による時間的な制約から仕事に就けない時期も続いた。現在は「だいちゃん.com」の名前でブログを開設し、さまざまな社会的事象について自身の考えを執筆し、広告収入を得られるようになった。

 今回の問題については「患者を自殺に誘導した悪意のある行為だと感じる。患者を説得し、人工透析をしながらでも楽しく生きられる方法を寄り添って考えるべきだった」と思いをつづった。

 病院に行きたくないと思うときは今もある。取材に対し「(公立福生病院の)医師が担当だったら、私も死んでいたと思う」と語り、「医師がすべきなのは生きることを説得することだ」と言葉に力を込めた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報