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【社会】

入院後に透析中止撤回 死亡女性意向 公立福生病院も把握

 東京都福生市の公立福生病院で昨年八月、医師が腎臓病の女性=当時(44)=に人工透析治療を中止する選択肢を示していた問題で、女性が中止に同意する文書に署名した五日後に体調を崩して入院し、死亡前には一時、撤回意向と受け取れる発言をしていたことが九日、関係者への取材で分かった。この意向は病院側にも伝わっていた。

 関係者によると、女性を担当していた医師は容体が悪化した女性に、透析を再開するか、苦しさを和らげるかの選択肢を示し、女性は苦しさを和らげる方を選び、透析は再開されなかった。

 東京都や日本透析医学会は、女性が冷静な判断を下せる状態だったかどうかや選択肢の内容自体が適切だったか調査を進める。

 治療の中止や再開などの条件を示す透析医学会の提言は「患者や家族が治療方針に関する自己決定を変更した場合は透析を再開する」と定めている。

 この女性の治療中止に関しては、病院幹部の判断で倫理委員会が開かれていなかった。担当医師だけでなく、病院幹部も治療中止判断に関与していた。

 関係者によると、女性は昨年八月九日、長年透析を受けていた医療機関の紹介状を持って来院。透析に使う腕の血管の分路(シャント)が閉塞(へいそく)し、これまでの方法では透析が続けられない状態だった。

 担当医師は、女性に(1)首に管を入れる新たな手段で透析を続ける(2)透析を中止する−との選択肢を示し、中止すれば死に至ることを説明した。

 女性は中止に同意する文書に署名。その場には夫が同席していた。病院側は担当医師の他、病院のメディカルソーシャルワーカー、看護師がいた。

 女性は体調不良を訴え、同十四日に福生病院に入院した。同十六日午後五時すぎに死亡するまでの間に苦しさを訴え、透析再開を求める趣旨とも受け取れる発言をしたという。

 

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