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【社会】

東電公判結審 9月判決 旧経営陣、改めて無罪主張

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の公判が十二日、東京地裁で結審した。弁護側は最終弁論で「大津波の予見可能性は認められず、過失がないことは明らかだ」として改めて無罪を主張。永渕健一裁判長は判決期日を九月十九日に指定した。検察官役の指定弁護士は、それぞれに禁錮五年を求刑している。 (池田悌一)

 強制起訴された勝俣恒久元会長(78)、武黒(たけくろ)一郎元副社長(72)、武藤栄元副社長(68)の三人はそろって濃紺のスーツ姿で出廷。裁判長に意見を求められ、いずれも「付け加えることはございません」と話した。

 東電は国の地震予測「長期評価」に基づき、海抜一〇メートルの原発敷地を超える最大一五・七メートルの津波が来るという試算を得ており、公判では三人が大津波を予測し、対策を取れたかどうかが争点になっている。

 弁護側は最終弁論で、三人に共通する主張として「東日本大震災規模の地震は学者も全く想定していなかった。対策を取っていても事故は防げなかった」と強調。「長期評価は具体的な根拠がなく、成熟性はない」と試算にも信用性はないと訴えた。

 安全対策の実質的責任者だった武藤元副社長は二〇〇八年六月、部下から試算を伝えられたが、翌月に「対策の検討を外部機関に委ねるように」と指示。指定弁護士は論告で「問題の先送りだ」と指摘していたが、弁護側は「専門家の意見を聞くのが適正な手順と判断した」と反論した。

 武藤元副社長の上司だった武黒元副社長は、別の部下から〇九年四月か五月、試算の報告を受けたが、弁護側は「外部機関に依頼中と説明を受け、当然の判断と受け止めた」とした。

 勝俣元会長の弁護側は、〇九年二月の会議で大津波の可能性が話題になったものの、「懐疑的な話題として部下が持ち出しただけ。大津波を回避しなければならないとの思いに至るわけがない」と述べた。

 起訴状によると、三人は一一年三月、大津波を予見できたのに対策を怠り、原発事故で避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら四十四人を死亡させるなどしたとされる。

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