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【社会】

「第2のフェイスブック 広告権でクーポン」 うそ説明、181億円集金か 4容疑者逮捕

警視庁が押収したパンフレットやパソコン=13日午前、東京都大田区の田園調布署で

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 マレーシア企業が運営する会員制交流サイト(SNS)の広告権を買えば電子クーポンを得られ、資産を増やせると、うその説明で顧客を勧誘したなどとして、警視庁生活経済課は十三日、特定商取引法違反(不実の告知など)の疑いで、三十〜六十代の男女四人を逮捕したと発表した。二〇一三年八月以降、全国の二万三千三百人から計百八十一億円を集めたとみて調べている。 (木原育子)

 逮捕されたのは、会社役員吉野美穂子(66)=東京都多摩市永山六、無職笹崎幸雄(67)=調布市西つつじケ丘二=の両容疑者ら。同課によると、「mface(エムフェイス)」という運営実態が不明のSNSについて「第二のfacebook(フェイスブック)になる」と宣伝、勧誘していた。

 吉野容疑者の逮捕容疑では、エムフェイスの広告権を購入して「MFCクラブ」の会員になれば、換金可能な電子クーポンが付与されるとした上で、一六年七月のセミナーで「絶対に損しない。必ずお金が増える」と虚偽の説明をしたなどとされる。逮捕は十一日。

 同課によると、会員の大半は電子クーポンを換金できなかった。吉野容疑者は「言動については覚えていない。ミスをして話したかもしれない」と容疑を否認。笹崎容疑者は「吉野さんの指示の下、MFCクラブの活動をしていたことに間違いない」と認めている。他の二人は否認している。

 MFCクラブは顧客を紹介するとボーナスが得られるとして会員数を増やしていたという。エムフェイスを巡っては複数のグループが顧客を勧誘。吉野容疑者らは「club one(クラブ ワン)」というグループで、会員数が最大規模だった。エムフェイスを巡るトラブルは海外でも相次ぎ、同課は一五年八月以降、実態を調べていた。

 東京都消費生活総合センターによると「東南アジアの会社が運営するSNSの広告権に投資すれば、投資額の何倍にもなると勧誘されたが、本当か」などの相談が本年度までの六年間で計九十件寄せられ、注意を呼びかけていたという。

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◆「株と違い値下がりしない」 SNS例に将来性アピール

 「フェイスブック、アリババ、ペイパルの先を目指す」。エムフェイスの勧誘グループは各地でセミナーを開き、世界規模で使われている有名なSNSなどを引き合いに、エムフェイスの将来性を強調していた。

 東京都内の五十代男性は二〇一五年秋、知人に誘われ、都内の公共施設で開かれたセミナーに参加した。

 男性によると、冒頭、講師の吉野美穂子容疑者(66)が貧困生活から抜け出し、資産を増やしたという体験を語り、エムフェイスや「MFCクラブ」について説明。終盤、会場には洋楽「We are the world」のメロディーが大音量で流れ、参加者は興奮した様子だったという。「心をわしづかみにする演出だ」と感じたという。

 セミナーでは「広告権を購入すれば、すごい特典が付いてくる」と強調。「特典」とされる電子クーポンは「大富豪輩出システム。株は値下がりすることがあるが、クーポンは会社が売値を決めるため、値下がりしない。値上がりし続ける」とPRしたという。

 「クーポンを分割すれば、価値が二倍になる」とも説明。半分を現金化し、残り半分を保有しておけば、「安全に価値の上昇を楽しめる」としていた。

 広告権の購入価格は約一万六千〜約四百五十五万円の八ランクで、男性は数回購入したが、換金に応じてもらえず、不信感を持ったという。「詳しい説明を求めても、明確な答えはなかった」と振り返った。

 

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