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【社会】

区域外避難、国の責任否定 同種訴訟で2件目 千葉地裁

「国の責任を再び否定」などと書かれた紙を掲げる原告の弁護士ら=14日、千葉市中央区の千葉地裁前で

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 東京電力福島第一原発事故で福島県の避難指示区域外から千葉県に避難した六世帯十九人が、国と東電に計約二億四千七百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(高瀬順久(よしひさ)裁判長)は十四日、国への請求を棄却し、東電に四世帯九人への計約五百八万円の支払いを命じた。原告側が求めた故郷での生活基盤を奪われたことに対する「ふるさと喪失慰謝料」は認めなかった。原告側は判決を不服として控訴する方針。

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 同種訴訟の判決は九件目で、国の責任を認めなかったのは、別の原告による二〇一七年九月の千葉地裁判決以来二件目。国を被告に含めなかった二件を除き、前橋、福島地裁などの五件はいずれも国の責任を認めており、後退する司法判断となった。

 判決は、国は遅くとも〇六年には福島第一原発に敷地の高さを超える津波が到達することを予見できたと指摘。しかし、東電に命じて東日本大震災までに建屋への防潮板の設置などの対策を講じたとしても、津波による全交流電源喪失は防げなかったとして、国の違法性を否定した。

 東電の賠償責任については、「被ばくへの恐怖や不安を感じて福島第一原発から離れた地域に避難することに合理性がないとはいえない」とし、原告の個別の事情に応じて一部賠償を命じた。

 一方で、ふるさと喪失慰謝料は「復興状況などから、地域コミュニティーなどの生活基盤の破壊、精神的損害は認められない」と認めなかった。

 訴状などによると、原告は当時、福島県いわき市や福島市などの避難指示区域外に居住。原告一人当たり約千三百万円を求め、「区域の設定に合理性はなく、区域外を理由に賠償額が低くなるのは許されない」などと訴えた。 (太田理英子)

 

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