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【社会】

伊方3号の運転容認 仮処分、住民申し立て退ける

四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で

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 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を禁止するよう、五十キロ圏内に住む山口県東部の三つの島の住民三人が求めた仮処分で、山口地裁岩国支部(小野瀬昭裁判長)は十五日、申し立てを却下する決定を出した。

 主な争点は、伊方3号機から約百三十キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクや、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)に関する原子力規制委員会や四国電の規定や評価が妥当かどうか。

 決定で小野瀬裁判長は現在の火山学の知見や調査などを踏まえ「原発の運用期間中に巨大噴火が起きる可能性は小さい」と判断。さらに、噴火の規模の予測は難しく、過去の事例を踏まえた四国電の火山対策は過小とは言えないとした。

 地震対策は、付近の断層を考慮しており「基準地震動に関する四国電の評価は合理的だ」と指摘。規制委が策定した新規制基準も妥当とした。

 また、住民らの居住地に避難計画が策定されていないことについて「放射性物質が周辺に放出される具体的危険はない」とし、住民側の人格権侵害を認めなかった。

 住民側は「伊方原発周辺は中央構造線断層帯が通っており、南海トラフ巨大地震で甚大な被害を受けるリスクが高い」と主張。阿蘇カルデラの破局的噴火による火砕流到達の危険性も訴えた。四国電側は、地質調査や過去の噴火状況などを検討した対策を取り「安全性は十分に確保している」と反論していた。

 伊方3号機を巡っては広島高裁が二〇一七年十二月の仮処分決定で、阿蘇カルデラの破局的噴火のリスクを指摘し、運転禁止を命令。しかし一八年九月の異議審で同高裁が覆して再稼働を認め、同年十月から運転を再開した。同様の仮処分は他にも松山地裁や大分地裁などで申し立てられたが、運転を容認する決定が出ている。

<伊方原発> 四国電力が愛媛県伊方町に持つ計3基の加圧水型軽水炉。1977年に運転を始めた1号機、82年開始の2号機(いずれも出力56万6000キロワット)は、巨額の安全対策投資に採算が合わないとして廃炉が決まった。3号機(出力89万キロワット)は94年に運転を始め、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う。2017年12月の広島高裁仮処分決定で運転差し止めを命じられたが、18年9月の異議審決定で再稼働が認められ、同年10月から運転を再開した。

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