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【社会】

阪大、地震論文5編で捏造 東日本や熊本 他に不正疑い17編

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 大阪大は十五日、記者会見し、秦(はた)吉弥・元准教授らのチームが東日本大震災(二〇一一年三月)と熊本地震(一六年四月)を観測してまとめたとする研究論文五編で捏造(ねつぞう)や改ざんがあったとの調査結果を公表した。北海道南西沖地震(一九九三年)や阪神大震災(九五年)、発生が懸念される南海トラフ巨大地震などを対象とした他の十七編も不正が強く疑われるとし「不正は長期、多数にわたり行われ、悪質度は極めて高い」と指摘した。

 阪大によると、元准教授が地震計を設置し観測したとするデータは、本人が観測したものではなく、防災科学技術研究所や西日本高速道路の地震計のデータを転用するなどして捏造した。計算値も改ざんした。研究には国の資金が一部使われており、文部科学省は対応を検討する。

 元准教授は既に退職し、亡くなっている。死因や時期は明らかにしていない。元准教授は一連の研究不正を否定し「実際に測定をし、論文を書いた」と説明したが、関連記録などから不正を認定した。

 阪大の八木康史副学長は「科学研究に対する社会全体の信頼を失い、被災者や関係研究機関の皆さまに多大なご迷惑をお掛けした」と謝罪した。

 他の十七編も捏造や改ざんが強く疑われるとしたが、データ確認や聞き取りができず、不正の有無の判定は留保した。

 不正行為への共著者の関与は確認できなかったとした。

 不正認定した論文には、文科省所管の日本学術振興会から科学研究費計約十三万八千円が助成されたものが一編あった。

 阪大は、元准教授に関し「研究者としての行動規範や研究倫理の欠如があった。データ管理についても理解が不十分だった」とした。不正認定した五編の共著者らには、論文取り下げの検討を要請した。

 これまで、熊本地震の前震発生後の一六年四月十五日に設置されたという臨時の地震計のデータなどが問題視されていた。同七月からインターネット上で公開していたが、データに不自然な点があるとの指摘があった。

 阪大は一七年十月から予備調査を始めるなど内部調査を進めていた。

 

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