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【社会】

オブジェ火災 書類送検 重過失致死傷容疑など学生ら6人

東京・明治神宮外苑のイベント会場で、男児が死亡した火災現場の木製オブジェ=2016年11月

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 二〇一六年十一月、東京・明治神宮外苑のイベント会場で木製オブジェが燃え、中で遊んでいた幼稚園の男児=当時(5つ)、東京都港区=が死亡した火災で、警視庁捜査一課は十八日、重過失致死傷の疑いでオブジェを展示した日本工業大(埼玉県宮代町)の学生二人を、業務上過失致死傷の疑いで同大の教員とイベントを主催した広告会社「TOKYO DESIGN WEEK」(東京)の社長(70)ら三人を書類送検した。

 書類送検容疑は、一六年十一月六日午後四時五十五分ごろ、安全確認や保守管理を怠り、大量の木くずで装飾されたオブジェ内で、投光器の白熱電球を点灯して放置。約二十分後、木くずが接触したことで出火し、男児を焼死させ、助けようとした父親に重傷を負わせたとされる。

 捜査一課によると、学生二人は白熱電球を置いたことを認めている。教員は「学校として指導監督をしていなかった」、広告会社の三人は「作品の保守管理は学校側にある」との趣旨の話をそれぞれしている。

 木製オブジェは、一辺四十五センチの立方体の木枠を最大で六段に積み上げて固定したジャングルジムのような構造。自由に内部へ入ることができる体験型で、男児は出火した際、中心部付近にいたとみられている。

 捜査一課は、再現実験や関係者の聴取などから白熱電球の熱で木くずに火が付き、全体に燃え広がったと判断。学生らは白熱電球について「暗くなったのでつけた」などと説明していた。

 イベントは、建築やデザインのアート作品などを展示。火災では、父親のほか、来場者一人がけがをした。

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◆照明器具 危険認識を

 東京・明治神宮外苑のイベントで木製オブジェが燃えて男児が死亡した火災は、ジャングルジムのような形をしたオブジェ内に設置されていた白熱電球が火元になり、周囲の木くずに火が付き、燃え広がったとみられる。高熱を帯びる白熱電球は、火災を招く危険性があり、専門家は安全な使用を呼び掛けている。

 神宮外苑の火災で、製品評価技術基盤機構(NITE)が事故後に行った再現実験では、四五〇ワットの白熱電球に木くずを載せたところ、約二十秒後に発煙、約二分後に発火したのが確認された。

 専門家によると、木材は約二〇〇〜二六〇度で燃え始める。警視庁の再現実験では白熱電球は約二八〇度に達し、木くずが接触すると、数秒から約二分で出火した。

 NITEの集計では、白熱電球などを用いた白熱灯の照明器具が原因とみられる事故は二〇一一〜一五年度に百件あり、うち四十九件が火災を引き起こしている。担当者は「白熱灯照明の近くに可燃物を置いたり、電球などを布や紙で覆ったりしないでほしい」と話す。

◆両親コメント 原因究明へ一歩

 死亡した男児の両親が代理人弁護士を通じて発表したコメント全文は次の通り。

 もうすぐ事故から二年半が経とうとしています。本来であれば息子は小学生になり、進級に向けて心躍らせている頃かと思うと、たまらなく淋しい気持ちになります。息子がいなくなってからの日々は、火が消えたように静かでとても長い時間でした。

 この度の送致により、事故の原因究明に向けようやく一歩動き出したことは、時間が止まったままの私たち家族にとっても、大きな一歩だと感じています。

 これまで多くの方にご心配・ご助力いただきましたこと心より感謝いたします。

 引き続きこれからも温かい目で見守ってくださいますようお願い申し上げます。

 被害男児両親

 

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