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【社会】

ゲノム編集食品、夏にも販売 大半、安全審査求めず

 厚生労働省の専門部会は十八日、生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物の多くに厳格な安全性の審査を求めず、国へ届け出れば販売してよいとする報告書をまとめた。今後は厚労省が詳細なルールを決めて通知を出し、消費者庁も表示の考え方を示す予定で、夏には食品として販売可能になる見通し。

 血圧を下げる成分を増やしたトマトや体の大きなマダイなど、現在国内で開発が進む品種が対象になる可能性がある。

 ただ、届け出に法的な義務はなく、制度の実効性には疑問符も付く。部会では義務化を求める意見も出たが、元々持つ遺伝子を改変する操作は、従来の品種改良や自然界で起きる変化と区別がつかず、違反の発見が困難だなどとして見送った。

 厚労省は報告書の案について一〜二月に一般から意見を募集。約七百件が寄せられ、大半は、安全性への懸念だった。だが、部会は「安全確保の取り組みを続ける」などと回答し、案は変更しなかった。

 報告書は、ゲノム編集で新しい遺伝子を追加する場合は、同様の操作をする従来の遺伝子組み換え食品と同じく安全性審査を求める。一方、開発中のゲノム編集食品の多くで採用されているように、元々ある遺伝子を改変しただけの場合は審査不要とした。

 ただし、アレルギーの誘発など健康影響がないことをどう確認したか、改変で成分がどう変わったかなどの情報は販売前に国へ届けるよう求め、概要を公表する。問題が起きた際の対応や消費者への情報提供のためだ。

 ゲノム編集食品の規制は国によって異なり、米国は商品ごとに安全性を判断する。欧州連合(EU)の欧州委員会は対応を検討中だが、司法裁判所はゲノム編集された食品も遺伝子組み換え作物として規制するべきだとの判断を示している。

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