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【社会】

京大教授が論文不正 熊本地震の図を改ざん・盗用

林愛明教授

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 京都大は二十六日記者会見し、理学研究科の林愛明(りんあいめい)教授(地震地質学)が二〇一六年十月に米科学誌サイエンスに発表した同年四月の熊本地震に関する論文に図の改ざんや盗用の不正があったとの調査結果を公表した。林教授に論文の撤回を勧告しており、処分する方針。

 大阪大も今月十五日、元准教授らが東日本大震災(一一年三月)と熊本地震を観測してまとめたとする論文で捏造(ねつぞう)や改ざんがあったとの調査結果を公表したばかり。

 林教授は、図表は誤っていたが後で直すつもりだったなどとして「結論は間違っていない」と説明。論文の撤回については、返答をしなかったという。

 原子力規制庁は二十六日、林教授らのチームに委託した活断層の研究報告書に関し、データなどに問題がないか京大に説明を求める方針を示した。

 一七年八月、京大の通報窓口に「論文の図表に見過ごせない多数のミスが散見され、一部では真正なデータの不正使用などによる改ざんが疑われる」との通報があり、書面調査や本人、共著者から聞き取りを進めていた。

 京大は調査の結果、「論文の結論を導き出すのに重要な役割を果たしている六個の図のうち、四個に研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務に著しく反した行為による改ざん、盗用が認められた」と認定した。防災科学技術研究所や東京大の研究者が作製した図を改ざんしたり不正確に引用したりしていた。

 一方、記者会見した湊長博副学長は「故意だったと、調査委員会では断定しきれなかった」と述べた。

 論文は、熊本地震により地表に現れた地割れや亀裂を調査した結果、阿蘇山地下のマグマだまりが断層破壊の進行を防いだと主張。阿蘇山のカルデラ(陥没地形)で新たに断層が生じ、マグマの通り道となり噴火が起きる可能性があるとした。

 共著者の研究不正への関与はなかったとした。

 

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