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【社会】

令和へ未来託す 「情緒ある」「響きがいい」「隣国と対話を」

イベントで号外として配られた新元号のTシャツを手にする若者たち=東京都渋谷区の渋谷ストリーム前で、いずれも1日

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 日本列島各地が新元号の発表にどよめいた。一日、大方の予想に反して決まった「令和(れいわ)」。街角やネット上には「響きがいい」と歓迎する声があふれる一方、安倍晋三首相の記者会見には「政治利用だ」と冷ややかな視線が向けられた。さまざまな思いが交錯しながら時代はポスト平成に移る。

◆渋谷

 新元号発表の瞬間、東京都内の繁華街では、菅義偉(すがよしひで)官房長官の記者会見の映像を映し出した大型ビジョンをスマートフォンで撮影する人であふれ、終日、浮ついた雰囲気が漂った。

 平成の流行をけん引した若者の街・渋谷。東京都西東京市から買い物にきた加藤子美月さん(15)は「平成でなくなると、おばさんになった気がする」と苦笑。新元号に希望の意味合いが込められていることをネットで知ると、「四月から高校生になった。良い未来が待っているといい」と願った。

 ドラえもんのコスプレ姿で渋谷駅前に現れた埼玉県川口市の小山祐介さん(35)は「五月一日から元号は令和になります」と書かれた看板を手に、若者や外国人観光客と記念撮影。「命令の令が入ったのは少し違和感がある。どんな生き方をするのかを自分たちで選べる時代になってほしい」と強調した。 (原田遼)

◆ゆかりの場

御殿山さくらまつりの会場に夜登場した「令和」と書かれたちょうちん=東京都品川区で

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 皇室ゆかりの場所では新元号発表に沸いた。一般公開中の皇居・乾通りを訪れた横浜市戸塚区の会社員内藤真衣さん(27)は初めて日本古典を由来とした元号に「日本の元号なのに、これまで中国古典を参考にしていたのが逆にびっくり」と驚いた。

 明治天皇とその后(きさき)の昭憲皇太后を祭神とする明治神宮(渋谷区)を参拝した江東区の主婦小原明子さん(51)は「令和は音の響きが似ている平和を連想させる。安倍政権は平和のためにお金を使うべきではとの危機感もあったが、和の文字が入っているのを見て少し安心した」と話した。

 昭和天皇の在位五十周年を記念して創設された国営昭和記念公園(東京都立川市、昭島市)では、東京都調布市の大学一年沢田万葉(まよ)さん(19)が新元号の出典が万葉集だったことに「自分の名前に関係するので親近感がわくし、うれしい。情緒があっていい」と喜んだ。(望月衣塑子、松尾博史、竹谷直子)

◆外国人

 外国人は新元号をどう受け止めたか。花見で東京・上野公園を訪れていた米国出身の英会話教師ジェイコブ・オーネラスさん(27)は「漢字の意味はわからないが、響きが昭和と似ていてクールだね」と笑顔を見せる一方、「元号は誰が決めるのか複雑だ」と首をかしげた。

 英国から観光で初めて来日したピーター・コルマンさん(58)は「元号で時代を区切るやり方はとてもうらやましい」と満開の桜を背に語った。

 東京・新大久保のコリアンタウンでは、朝鮮学校に通うイ・ザムホンさん(15)が「平和の和を使うからには韓国や中国など隣国ともっと対話の機会を増やして」と注文。ベトナム出身のフィム・チ・ダチさん(25)も「平和の和があるのは良い。外国人と仲良くできるような社会になれば」と期待した。 (加藤健太、望月衣塑子)

◆予想は…

 ビンテージワインなどを通信販売する「和泉屋」(埼玉県朝霞市)が実施した新元号の予想企画には一万五千七百六十六通、四千二百五十七種類が寄せられながらも正解者はなし。「令」を使った予想も五通だった。

 新元号の発表をネット中継で見守った栗原周平社長(48)は「元号について考える機会になったと思う」。正解者に進呈する予定だった平成元年産の大吟醸酒は店頭販売を続ける。

 渋谷で女子高生三百人に聞いた予想には、安倍首相の名前の一字が入った「安久」や「平和」が上位を占める傍ら、「嵐」「タピオカ」「卍(まんじ)」がランクイン。調査した広告代理店「アイ・エヌ・ジー」(渋谷区)の久我美穂さん(27)は「女子高生の中でも改元は話題になっていた。好きな物や流行が結果に表れた」と話している。 (渡辺聖子)

スマートフォンでニュース速報を確認する人たち=JR東京駅・グランスタで

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