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【社会】

弾薬、結局は宮古島 嘘のツケ 高齢地区に

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 「地域には高齢者が多く、声を上げられない人が多い。弱い地域を狙い撃ちして大量の弾薬の配備を推し進めようとしている。あまりにもひどい」−。宮古島(沖縄県宮古島市)の陸上自衛隊駐屯地の弾薬庫で保管されている多目的誘導弾などの配備先として名指しされた保良(ぼら)鉱山周辺の保良、七又(ななまた)の両自治会の住民からは、防衛省の場当たり的な対応に批判の声が相次いだ。 (望月衣塑子)

平良長勇さん

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 「報道で嘘(うそ)がばれたから、この地域に負担を押し付けるのか」。保良地区に住む会社経営平良長勇(たいらちょうゆう)さん(79)は、多目的誘導弾などの新たな配備予定の話を聞くと、声を震わせた。

 周辺住民は、弾薬庫が造られることを二〇一七年九月、報道で知った。両自治会に対し沖縄防衛局が初めて説明会を開いたのは、昨年二月二十五日。元市議の下地博盛さん(69)によると、「なぜ、こんな集落の近くに弾薬庫を置かないといけないんだ」と島民の怒りの声が飛び交った。弾薬庫からわずか二百メートルほどの場所にも民家があり、「配備は絶対認められない」と地元住民の反対は根強い。

 説明会で防衛局職員は「弾薬は絶対爆発することがないので大丈夫」と安全性を何度も強調したが、島民は「人がやることで『安全、安全』と言われても、間違いは必ずあるはずだ」と追及した。「万が一、爆発したら防衛省としてどうするのか」と対応を尋ねると、防衛局職員は「仮定のことには答えられない」と繰り返したという。

下地博盛さん

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 射撃訓練場の弾が訓練場の外に出ることを心配する質問も相次いだが、防衛局職員は「建物で厳重に保護されており、弾が外に出るようなことはありえない」と強調。しかし、肝心の保管される弾薬量などは明かさず、弾薬の洗浄水などによる地下水や海の汚染対策についても「法に基づき処理する」と繰り返した。

 下地さんは「政府の説明は全く信じられない」と語気を強めて話した。

 平良さんは「沖縄戦では、日本軍の配置を拒否した渡嘉敷村の前島だけが唯一、米軍の攻撃を受けず、島民が生き延びた。弾薬庫を置けば、有事にはそこが確実に狙われる。島民を守ることには全くならない。悲惨な現状を多くの本土の方にも知ってもらいたい」と声を詰まらせた。

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