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【社会】

LGBT伝え方 溝埋めたい 当事者団体が指針 高まる関心、傷つくことも

ガイドラインについて話す神谷悠一事務局長=東京都内で

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 LGBTなど性的少数者に関する報道を巡り知識不足や認識の相違で起きるトラブルをなくそうと、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」(東京)がガイドライン(指針)を作った。連合会は「会員制交流サイト(SNS)で発信する一般の人も参考にしてほしい」としている。 

 関心の高まりとともに報道が増える一方、必要以上にプライバシーが公開され、取材を受けた側が傷つくケースもあり、新聞、テレビ、ウェブメディア計八社の記者の協力で「LGBT報道ガイドライン」をまとめた。

 ガイドラインでは取材から報道までの流れを説明し、記者に対しては、取材相手の「性」に関する表現や、情報の公開範囲などに配慮するよう求めた。当事者には、事前に報道されていい情報を整理、確認しておくことなどを助言している。基礎知識や用語集も載せた。

 A4判十ページ。簡易版もあり、いずれもホームページ(HP)=団体名で検索=からダウンロードできる。 (奥野斐)

 なぜ、LGBT報道のガイドラインが必要なのか。LGBT法連合会の神谷悠一事務局長(33)に聞いた。

 −指針の中身は。

 特徴は、取材を「する」側、「される」側それぞれのチェックリストをまとめた点だ。トラブル防止のポイントや、実際の取材経験から得た教訓や懸念もコラムで紹介している。

 今はSNSなどで誰でも発信できる。当事者が自分のことを「オネエ」「ホモ」と言っていても、その言葉には侮辱的な意味を含んでいたり、嫌がる人が多かったりするので第三者は使うべきではない。ガイドラインはLGBTについて文章を書いたり話したりする人に参考になるはずだ。

 −作った経緯は。

 LGBTに関する報道が増えたのはいいことだが、取材者の確認が不十分なために、本人の思わぬ形で当事者であることが暴露される「アウティング」被害につながったり、当事者側が自分の性のあり方や顔、名前の公開範囲を整理できないままに伝えてしまったりと不幸な擦れ違いが起きている。双方の認識の溝を埋めたいと、報道する側の意見も聞きながら作った。

 −どこまで配慮すべきか難しい面もある。

 今の日本は、誰もが自由に当事者だと明らかにできる状況ではない。

 団体HPで公開している困難事例にも、「学校の同級生にSNSでアウティングされ、いじめに遭った」「職場で打ち明けたら解雇された」などの声が上がる。報道の仕方によっては、当事者が差別や偏見を受けて深く傷つき、不利益を被ることを知っていてほしい。指針が、お互いが相手の立場を知り、考えるきっかけになればと思う。

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