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【社会】

ホームのベンチ、平行から直角へ 酔客の転落防止 首都圏でも

転落防止のためホームと直角に設置されたベンチ=東京都葛飾区の京成線青砥駅で(隈崎稔樹撮影)

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 首都圏の駅のホームで、ベンチの向きが線路と「平行」から「直角」に変わり始めている。ベンチから立ち上がり、まっすぐホームに落ちてしまう酔客の行動パターンに着目し、JR西日本が2015年に開始し、注目された取り組み。歓送迎会や花見のシーズンを迎えた首都圏でも、威力を発揮しそうだ。 (加藤健太)

 京成電鉄では青砥駅(東京都葛飾区)で二月末、上下線ホームにある全てのベンチが直角の向きに一新されるなど、京成高砂やお花茶屋などの八駅で三月末までにベンチの向きを変えた。今後、酔客の転落が多い駅から着手し、六十九ある駅のほぼ全てで変更する方針だ。

 ホームドアを設置できているのは日暮里と空港第2ビルの二駅だけで、京成の広報担当者は「ベンチの変更なら安くて早い」と説明する。

 酔客の行動パターンはJR西が二〇一四〜一五年に検証した。駅構内のカメラ映像を基に、転落したり列車に接触した百三十六人分の行動パターンを分析した。

酔客が転落するイメージ(JR西日本のホームページより)

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 突然線路に向かってまっすぐ歩きだし、そのまま転落するケースが約六割を占め、千鳥足でホームの端を歩き、足を踏み外すのは約一割にとどまった。この調査結果を受け、関西地方からベンチの向きを変える動きが広がった。

 首都圏では、東武鉄道が昨年二月から変更に乗り出した。これまでに完了した南栗橋、久喜、北越谷などの八駅はいずれも終点駅。和光市駅を除いてホームドアがなく、ベンチに座っていた酔客が突然立ち上がって転落することがあったという。「ベンチの向きを変えた後は転落が減り、一定の効果を感じている」と広報担当者。志木駅でも変更する計画がある。

 鉄道各社は、ホームドアがない駅を中心にベンチの変更に動いている。JR東日本は新宿、品川、新橋の各駅で実施。京王は府中や南大沢など十駅で、小田急は下北沢や小田原など十五駅で変更を終えた。東京メトロは「全ての駅にホームドアの設置を進めたい」としている。

 国土交通省によると、ホームからの転落は六割が酔客。ホームドアの設置には一駅あたり少なくとも数億円かかり、コスト面が導入のハードルになっている。

 

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