東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ゴーン前会長4度目逮捕 ペーパー会社複数経由か 5.6億円特別背任容疑

東京都内のマンションを出る、カルロス・ゴーン容疑者を乗せたとみられる車=4日午前6時47分

写真

 中東オマーンの販売代理店に支出した日産自動車の資金を流用し、会社に約五億六千万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部は四日、日産の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)を会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕した。関係者によるとゴーン容疑者は、日産資金を自らに還流させる際、営業実体のない複数のペーパー会社を経由させていたという。特捜部はゴーン容疑者が自身への資金移動を隠す意図があったとみている。

 ゴーン容疑者の逮捕は四回目。特捜部が手掛ける事件で保釈中の被告が再逮捕されるのは異例で、ゴーン容疑者は再び東京拘置所に入った。特捜部は認否を明らかにしていないが、弁護人によると否認している。

 再逮捕容疑では、日産の子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)から二〇一五年十二月〜一八年七月、友人がオーナーを務めるオマーンの販売代理店「スヘイル・バウワン自動車(SBA)」に複数回に分けて計千五百万ドル(約十七億円)を支出。うち計五百万ドル(約五億六千万円)を自身が実質的に保有するレバノンのペーパー会社の口座に還流させ、日産に損害を与えたとされる。

 関係者によると、友人側はレバノンの口座に直接送金するのではなく、いったん別の複数のペーパー会社に振り込んだ上で送金しており、資金を還流させていることを分かりにくくしていたという。ゴーン容疑者もこの手口を把握していたとされる。

 ゴーン容疑者は一二年以降、SBAに総額三千二百万ドル(約三十五億円)を送金。SBA経由で還流させた資金を使って、約十六億円の高級クルーザーを購入した疑いも持たれている。

 ゴーン容疑者はかつて日産の最高経営責任者(CEO)を務めており、資金はCEOの裁量で使途が決められる予備資金「CEOリザーブ」から「販売促進費」名目で支出されていた。

 中東日産の関係者らは特捜部の調べに、「正当な支払いとは言えない」などと説明しているという。

 ゴーン容疑者は昨年十一月十九日以降、有価証券報告書に自身の役員報酬の一部を記載しなかったとする金融商品取引法違反容疑で二回逮捕され、日産に私的な投資で生じた損失を付け替えたなどとする特別背任容疑でも再逮捕。東京拘置所で百八日間にわたり身柄を拘束され、三月六日に保釈されていた。

写真

◆「きっぱり容疑否定」弘中弁護士が強調

 ゴーン容疑者の弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は4日、3日午後に「再逮捕の危険がある」と告げた際、ゴーン容疑者が「愉快ではなさそうでした。まさにアンハッピーといった雰囲気だった」と報道陣に明かした。再逮捕後に接見したといい、今回の容疑についても「ゴーンさんはきっぱりと否定している」と強調した。

 弘中弁護士は、保釈中に再逮捕するという検察当局の捜査手法を「暴挙だ」と批判し、早期の釈放を求めていくと宣言した。 (山田雄之)

 <特別背任罪>取締役など特定の地位にある者が、自分や第三者の利益のために任務に背く行為をして会社に損害を与えた場合、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金が科される。会社法で規定されており、地位の重さを問わない刑法の背任罪より法定刑が重い。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報