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【社会】

就活セクハラ、深刻 OB訪問で飲酒強要/「採用権限ある」と言われ…

合同企業説明会に臨む女子学生=3月1日、東京都内で(本文とは関係ありません)

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 就職活動中の女子学生がOB訪問で知り合った企業の男性社員から受ける「就活セクハラ」が深刻な問題となっている。「情報を得たい」という気持ちにつけ込む卑劣な行為だが、立場の弱い学生は泣き寝入りを強いられている。刑事事件に発展するようなケースも相次ぎ、専門家は「企業はOB訪問を社員任せにせず対策を講じるべきだ」と強調する。

 「私は乗り越えることができたが、心に一生の傷を負う人もいるんじゃないかな」。第一志望だった会社の若手男性社員からセクハラ被害を受けた女性(22)は、こう憤る。三月に都内の私立大を卒業したばかりだ。

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 在学中の一昨年春、知り合いの紹介で男性社員と会うことに。「忙しい」という理由で指定された時間は夜。場所は料亭のカウンター席だった。二軒目のバーで強いお酒を飲まされ、泥酔状態になった後に、無理やりキスされたり、家に来るよう迫られたりした。

 女性は「自慢話ばかりで、正直言って帰りたかった。でも採用の権限があるという話を持ち出してきて『むげにできない』という意識が働いた」と振り返る。

 OB訪問中の女子学生を狙った犯罪も今年に入って相次いでいる。二月に警視庁が、大手ゼネコン大林組の若手社員の男を、就活中の女子学生を自宅マンションに連れ込んでわいせつ行為をしたとして逮捕。三月には大手商社の住友商事社員が女子学生に酒を飲ませて乱暴したとして懲戒解雇に。この男は二十六日に警視庁に逮捕されている。

 大林組の事件では、女子学生はスマートフォンのOB訪問仲介アプリで社員と知り合った。社会人が出身大学や勤務先を登録し、学生は興味のある企業名などで検索できる仕組みだ。手軽に訪問先を探せるとして利用する大学生が急増しているが「出会い系サイトのような動機で登録する社員が一部にいる」(採用コンサルタント)。

 女子学生の就活を支援するハナマルキャリア総合研究所の上田晶美代表は「本来なら女性の若手社員を訪問した方が、会社内での待遇など有益な情報を得やすい。ただ活躍する女性は人数が少ない上、育児などで忙しいため会ってもらえない」と嘆く。防衛策としては昼間にカフェのようなオープンな場所で会うことを勧める。

 一方、企業は社内のセクハラに対しては取り締まりを強化しているが、就活生は対策の枠外だったと分析。「女子学生へのセクハラは許されないという社員教育を徹底するべきだ」と指摘した。

 

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