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【社会】

縮む取扱量 豊洲岐路 開場半年 品質管理重視、一般客入れず

開場半年の豊洲市場=東京都江東区で

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 東京都の中央卸売市場として豊洲市場(江東区)が開場して11日で半年を迎えた。都は旧築地市場(中央区)からの移転を機に取扱量の増加を見込んだが、減少傾向に歯止めはかかっていない。 (石原真樹)

 「お客が入りづらい市場になっちゃったよ」。二日午前、豊洲市場の水産仲卸売場で、マグロ仲卸業者の男性(81)がパック入りの切り身を指さしてつぶやいた。「こういうのを買う人が、豊洲には来なくなった」。水産仲卸業者でつくる東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長も「年末の繁忙期、築地のように小口や一般の人が来なかった。豊洲は買い物客を締め出したと思われた」と不満を口にした。

 築地では午前十一時以降、一般客らが仲卸売場に入り見学や買い物ができた。一方、都は豊洲では仲卸売場への一般客の立ち入りを禁止し、出入り口に警備員を配置。「長靴を履いて、すし職人の格好でも警備員に止められた人がいた」(卸売業者)との声もある。

 早山理事長は「庶民に開かれた市場だった築地の歴史文化は続けたい」と訴え、地元住民らが買い物できる時間帯を設けることなどを提案する。だが、品質管理を理由に「一般客は入れるべきではない」(別の卸売業者)との意見もあり、業者も一枚岩ではない。

 年末年始をはさんだ昨年十一月〜今年二月の水産物取扱量は、築地市場だった前年同期と比べて92・7%。もともと築地でも、産地と小売店が直接取引する「産直」の増加などで減少傾向が続いてきた。都の計画では、取扱量は豊洲移転後に増えるはずで、豊洲は温度管理の厳格化を売りに開場したが、減少傾向を食い止められていない。

 一般客を呼び込むだけで取扱量を増やすのは難しい。来年六月に施行される改正卸売市場法では、卸が仲卸以外の業者に売ることや、仲卸が産地から直接仕入れることが可能になる。

 一八年度の取扱量と額が前年度を上回った水産卸の東都水産は、大口取引先との連携強化が奏功したという。久我勝二常務は「豊洲で衛生面や物流が良くなり、大手量販店が扱いやすくなったのではないか」と説明する。

 赤星博之専務は「観光やにぎわいなのか、一般向けか物流拠点か。豊洲の役割を考えるべきだ」と指摘。久我常務も「どういう市場にしたいのか、ここで働く私たちが言わなきゃいけない」と話す。

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