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【社会】

「五輪」商標取り消しを 東京の弁理士、IOC登録に異議

 国際オリンピック委員会(IOC)がオリンピックを意味する「五輪」を商標登録したことについて、知的財産を専門に扱う弁理士が、取り消しを求めて特許庁に「異議申し立て」をしたことが分かった。弁理士は「商標登録を認める範囲を拡大解釈しており、取り消されるべきだ」などと主張している。

 五輪の文言は、一九三六年に新聞記者が「オリンピック」を短く表現するために作り、その後、新聞やテレビなどで広く使われるようになった。二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを控え、IOCは公式スポンサー以外の便乗商法を防ぐために五輪の商標登録を一七年十二月に出願し、今年二月に認められた。

 これについて、九日付で異議申し立てをしたのは、東京都新宿区の弁理士・柴(しば)大介氏。異議申立書によると、IOCは商標登録を出願するまでの約八十年間、五輪をオリンピックの知的財産として扱っていなかった。この点などを踏まえ、柴氏は「五輪はわが国で、誰でも自由に使える公有のもの(パブリック・ドメイン)」と指摘。特定の者に独占させることは好ましくないとし、商標登録を認めれば「公有の状態を広く害することになり、社会通念に照らして著しく妥当性を欠く」と主張している。

 特許庁が商標登録を認めるかどうかを判断する「商標審査基準」では一六年四月の段階で、「五輪」はオリンピックを想起させる俗称としてすでに例示されていた。柴氏はこの審査基準に基づき、今回「五輪」の商標登録を認めたのは、商標法が対象とする表示の範囲を拡大解釈しており、「不当で違法」と主張。「商標法上の公序良俗違反に当たる」と訴えている。本紙はIOCに異議申し立てについてコメントを求めたが、十一日までに回答はなかった。 (中山岳)

<商標登録> 事業者が扱う商品やサービスを他人のものと区別するために使う表示(商標)を、法律で守る仕組み。特許庁の審査を経て登録されれば、10年間、その商標を独占的に使える。何度でも更新できる。

 

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