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【社会】

指導側なのに消防法違反 消防設備士、講習受けず

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 「消防設備士」の国家資格を保有する東京消防庁職員の多くが、消防法で義務付けられた定期講習を受けず、消防法違反の状態であることが、複数の同庁関係者への取材で分かった。講習は同庁が実施し、受講していない消防設備業者などには減点処分をしている。講習を受けるよう指導する側が、身内の違反を見過ごしていたことになる。 (奥村圭吾、加藤健太)

 消防設備士は、スプリンクラーや自動火災報知機、消火器などの工事や整備、点検を行う資格。大規模なデパートやホテル、飲食店などは、半年に一度の機器点検をはじめ、消防設備士らによる定期点検を受け、都内では東京消防庁に報告するよう消防法で定められている。

 講習は、消防設備士の免状を交付された後、最初に迎える四月一日から二年以内に受けるよう同法で義務付けられている。新たな知識や技能の習得が目的で、その後も五年以内の間隔で受講する必要がある。

 東京消防庁によると、職員約一万八千人のうち、少なくとも約八千六百人が消防設備士の資格を保有。署長ら幹部は九割以上の約四百二十人が持っている。

 しかし、取材に応じた複数の同庁職員は、資格を持っているのに、法律で定められた期間内に講習を受けていないことを認め、周囲の多くの職員も受講していないと指摘した。

 消防設備士に違反を通告し、減点処分をする立場の消防署長ら幹部の中にも、受講していない人がいた。

 本紙が東京消防庁に、受講義務違反の職員数などを文書で尋ねたところ、同庁広報課は「任意に取得された資格で、個々の職員の受講状況を把握していない」と回答。消防法違反を指摘し、調査を求めたが、同課は「調査の予定はない」と拒んだ。

 総務省消防庁予防課の担当者は「消防設備士の講習は資質の維持、向上のためにある。最新の法令基準や設備の不具合に関する情報を得るため、受講する必要がある」としている。

<消防設備士> 1965(昭和40)年の消防法改正で、消防設備の工事や整備は消防設備士でなければ行えないと規定され、翌年から資格制度が始まった。都道府県知事から委託を受けた一般財団法人「消防試験研究センター」が試験や免状の交付をしている。

 消防白書によると、消防設備士の数(免状作成件数の累積)は甲種(工事・整備)、乙種(整備)合わせて約117万人。違反の減点が3年間で20点に達すると、免状を返納するよう命じられる。減点は、講習を受けなかった場合5点、設備の性能が著しく損なわれていた場合8点など。

 

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