東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「性差別 東大も」 頑張れ新入生 上野千鶴子さんエール

入学式で祝辞を述べる、名誉教授で社会学者の上野千鶴子さん=12日、東京・日本武道館で

写真

 「社会に出れば性差別が横行しています。東大もその例の一つです」。東大の入学式が十二日、東京都千代田区の日本武道館で行われ、東大名誉教授で社会学者の上野千鶴子さんが祝辞で、性差別の根深さについて語った。世の中には頑張っても報われない人がいるとして「あなたたちの頑張りを自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」との願いも口にした。

 東大の今年の入学生三千百二十五人のうち女子は五百六十七人。セクハラなど性差別の問題に取り組んできた上野さんは壇上で、新入生の女子比率が長年「二割の壁」を越えないと指摘。教授などではさらに低く、歴代学長に女性はいないとした。

 さらに、女子や長期浪人生を差別した東京医科大の不正入試問題などを挙げ「頑張っても公正に報われない社会があなたたちを待っています」と話した。

 受験競争を勝ち抜いてきた新入生に「頑張れば報われると思えることそのものが、環境のおかげだったことを忘れないでください」と訴え、「恵まれた環境と能力を、恵まれない人々を助けるために使ってください」と呼び掛けた。

 一方、東大は多様性を認める大学でもあるとし「私をこの場に立たせたことがその証しです。異文化を恐れず、どんな世界でも生きていける知を身に付けて」と締めた。

 上野さんのメッセージを受け、東京都内の女子新入生(18)は「学内でも東大女子だと分かると勧誘しないサークルがあり差別だと思った。公の場で問題を話してくれてうれしい」と話した。多数が医学部に進学する理科三類に入った一浪の女子新入生(19)は「世間には『女子は浪人しない方がいい』という固定観念があると感じる。性差別は社会で取り組むべき問題だ」と話した。

 ◇ 

 東大はホームページで、上野千鶴子さんの祝辞を掲載している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報