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【社会】

私立一貫校 横浜・橘学苑 6年で教員72人退職「非正規使い捨て」

学校法人橘学苑が運営する中高一貫校=12日、横浜市鶴見区で

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 元経団連会長の故土光敏夫氏が理事長を務めた学校法人橘学苑(横浜市鶴見区)が運営する中高一貫校で、非正規雇用の教員の雇い止めが相次ぎ、大量の退職者が出ていることが、学校関係者への取材で分かった。学苑側は昨年度までの六年間で七十二人が退職したとしている。一方、複数の学校関係者は「より多くの仲間が職場を去った」と主張、退職者は百二十人近いと訴えている。

 改正労働契約法には、非正規労働者の雇用安定を図るため、有期契約が五年を超えれば無期に移行できる「無期転換ルール」がある。私立校教員も対象。私立の労働問題に詳しい労働組合関係者は「非正規の使い捨てとも呼べる状況。無期転換ルールの趣旨に反している」と指摘している。

 橘学苑は「契約時に(期間の上限を)確認した上で締結しており、期間満了による契約終了と捉えている。教育上の影響はない」としている。

 学校関係者によると、同校には正規採用の「専任」と、非正規雇用に当たる常勤、非常勤講師がいる。いずれもクラス担任や部活の指導も受け持つ。教員の入れ替わりが激しいため、保護者から苦情もあるという。

 学苑の説明では八十人前後いる教員のうち、多い年で十六人が退職。退職した七十二人のうち六十三人が常勤、非常勤講師だった。一方、複数の関係者は独自に調査した結果として、派遣会社から派遣されて契約を解除された教員も含めると、多い年で二十五人に上ったと話す。

 一方的に雇用を打ち切られたとして訴訟を起こしたケースもあるという。元教員の男性は「年末に突然『三年が上限』と言われ、次年度の契約を断られた。それまで上限を示されたことはなかった」と話した。

 「私学教員ユニオン」の佐藤学氏は「非正規教員は立場が弱く、声を上げにくいため疲労やストレスを抱える。教育を担う教員が不安定な雇用に置かれていては、生徒も安心して教育を受けられない」と指摘する。

 橘学苑は一九四二年創立。土光氏は四五年から理事長を務めた。現在の理事長は長男の陽一郎氏。

 

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