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【社会】

ゴリラやゾウ、守りたい 上野と東山、飼育に知恵 ノウハウなど共有へ協定

(上)上野動物園のゴリラ=東京都台東区で (下)東山動植物園で誕生したアジアゾウ=名古屋市千種区の同園で

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 ゴリラやアジアゾウなど絶滅の恐れがある動物の飼育数を増やそうと、上野動物園(東京都台東区)など四施設を運営する「東京動物園協会」と名古屋市の東山動植物園が、野生動物の保全に向けた協定を締結したことが分かった。日本有数の動物園が人的な交流を強化し、蓄積した飼育ノウハウの共有を図る。 (水越直哉)

 東京動物園協会は、上野動物園のほか、多摩動物公園(日野市)、葛西臨海水族園(江戸川区)、井の頭自然文化園(武蔵野市)の指定管理者。二月十五日、野生動物の保全や動物園事業の発展に関する協定を東山動植物園と締結した。

 当面は、ゴリラとアジアゾウの飼育担当者を一定期間、相互派遣し、それぞれの施設で飼育作業などを経験。繁殖に必要な技術や情報を直接やりとりする。

 これまでも園同士の視察などはあったが、一時的な交流にとどまっていた。将来的には、海外の生息地などでの保全活動で協力することも視野に入れる。

 上野、東山にはアジアゾウが四頭ずつおり、迫力ある巨体や愛嬌(あいきょう)あるしぐさが人気。ゴリラは東山の「シャバーニ」が「イケメン」として知られ、写真集が出されるほどの人気者。上野でもシャバーニの三歳年上の兄「ハオコ」が群れのボスだ。

 日本動物園水族館協会によると、国内で飼育されるゴリラは一九八〇年代後半に五十頭近くいたが、二〇一八年度は二十二頭にまで減少。アフリカゾウを含むゾウも八五年度の百四十頭をピークに一八年度は百十四頭と減っている。

 動物園間は、繁殖目的でゴリラやゾウの貸し借りをしているが、個体数が限られ、相性の良い相手を見つけることが難しく、出産にこぎ着けることは容易でない。さらにワシントン条約による野生動物の輸入規制は厳しく、個体数の維持が課題となっている。

 国内のアジアゾウは、日本人スタッフによる出産例は五例だけで、このうち一三年に東山で生まれた「さくら」は、出産後も母ゾウによる自然保育で育った唯一の事例。飼育ノウハウが高く評価されている。

 協定を締結した東京動物園協会の千足(ちあし)有彦・運営企画課長は「ともに多数の希少種を飼育しているので、相互交流で飼育や繁殖、普及に向けて手を取り合っていける」と期待する。原誠・東山総合公園長(現名古屋市消防局総務部長)は「日本を代表する園同士が高度な知識を生かして協力することで、国内動物園の発展に貢献したい」と意気込んでいる。

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