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【社会】

マイボトルでプラごみ削減 ペット飲料消費節約

空のボトルに給水する観光客のイタリア人男性=東京都千代田区で

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 マイボトルを持ち歩いてプラごみ削減へ−。深刻化する海のプラスチック汚染軽減に向けて、マイボトルを活用してペットボトルの消費量を削減する取り組みが始まっている。課題はマイボトルに水をくむ場所が街中に少ないこと。駅や観光地などで給水場所を確保することが取り組みを広げる鍵となりそうだ。

 「審査会合ではペットボトルを含めたプラスチックを原則使わない。マイボトルの持参などをお願いしたい」。昨年十月、環境省外局に設置された原子力規制委員会は会合の冒頭にこうしたアナウンスを始め、出席者用に会議室後方に水差しと紙コップを置いた。会議費用の削減効果もあり、官庁やイベント会場でペットボトルを出さない動きが出始めた。

 東京国際フォーラム(東京都千代田区)の広場には昨年三月、全国で初めてマイボトルに給水できる「ボトルディスペンサー式水飲栓」が屋外に登場。利用した観光客のイタリア人男性は、注いだ水を一気飲みし「冷たいけどおいしい」と笑顔を見せて再び給水した。設置した都水道局によると一年間でペットボトル約五万五千本に相当する利用があった。

 「マイボトルを持ち歩く人は意外と多い」。そう指摘するのは環境保護団体グリーンピース・ジャパン。一月に都民約千人を対象に実施した調査では、六割近くがマイボトルを持っており、その約半数は週二日以上持ち歩いているという。

 しかしマイボトルを持つ人の八割近くは「給水できる場所がない」などの理由から外出先で給水していなかった。同団体の石原謙治さんは「毎年約二十三億本のペットボトルがリサイクル回収されず、一部が海に流出している可能性がある。ごみを発生させない仕組みが必要だ」と話す。駅や観光スポットに給水機があれば便利だという声も寄せられた。

 だが駅の水飲み場は減少傾向にある。東京メトロによると、二〇〇九年度に駅構内に約二百八十カ所あった冷水機は一六年度までに姿を消した。

 同社広報担当者は「メーカーが倒産して冷水機の部品がなくなって修理に時間がかかり、汚物を流されて衛生面に問題がある場合もある」と説明。JR東日本も「ここ数年、水飲み場を新設したことはない」と口をそろえる。

 他方、英国ではカフェやレストランなどで買い物をしなくてもマイボトルに無料で給水することができる「リフィル」という取り組みが一五年に始まった。三月に来日した英環境団体「シティー・トゥー・シー」のガス・ホイトさんによると、リフィルができる店舗は英国内の約一万六千カ所に広がり、一年間でペットボトル約六百万本の削減が見込めるという。

<海のプラスチックごみ> ペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品がリサイクルされずに海に流れ出したもの。海鳥やクジラが餌と間違えてのみ込むなど生態系に悪影響が出ると懸念される。海を漂う間に砕かれてできる微粒子サイズのマイクロプラスチックは回収が困難。環境中の有害化学物質を吸着する性質があり、生物に蓄積する危険性が指摘されている。世界の海に漂うプラスチックごみは増え続け、2050年には海にいる魚の量を超えるとの試算もある。

 

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