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【社会】

廃炉に特定技能外国人 東電方針、安全策に懸念

 東京電力ホールディングスは十八日、四月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発(福島県)の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにした。核燃料が溶け落ちた原発構内で最も懸念されるのが作業員の被ばくだ。防止策は徹底されるのか、日本語が意思疎通の壁にならないか。具体策は見えない。

 「慢性的に労働力が不足する現場だ。喉から手が出るほど労働者が欲しいのだろう」。外国人技能実習制度に詳しい全統一労働組合(東京)の佐々木史朗書記長はこう話す。

 第一原発では、東電や協力企業の社員が一日平均で計約四千人働いている。東電などの工程表では、廃炉を終えるまでには三十〜四十年かかるとしている。一方、原発作業員の被ばく線量は法令限度があり、年間五〇ミリシーベルト、五年間で一〇〇ミリシーベルトを超えないよう管理する必要がある。一定の被ばく線量を超えると作業が続けられなくなるため、長期の廃炉作業では新たな労働力確保が必須だ。

 特定技能外国人には、業務上に必要な日本語能力などが求められる。「とっさの時に言葉の壁が生じるのでは」と懸念するのは二〇一四年八月〜一五年四月に第一原発で廃炉作業に従事した池田実さん(66)だ。

 池田さんによると、第一原発の現場では作業員が日々入れ替わるためコミュニケーションを取るのが難しいことも多いという。線量が高いエリアで作業をするには顔全体を覆うマスクを着ける必要もある。

 池田さんは「日本人同士でも会話が聞きづらかった。作業開始前に受ける放射線関係の講習も専門用語が多くて難しく、外国人が理解するのは大変だと思う」と話す。

 さらに、外国人の被ばく線量管理の課題を挙げるのは、原発関連労働者ユニオン(東京)の中村光男委員長だ。

 第一原発の廃炉作業にかかわる外国人労働者の在留期間は、現状では最大五年間。中村委員長は「期間終了後に帰国し、仮に海外の原子力施設で働いた場合、累積の被ばく線量を管理する必要があるが、難しいのではないか」と指摘する。

 

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