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【社会】

成田 出国待機施設拡充へ 訪日外国人の上陸拒否急増

成田空港の出国待機施設=東京出入国在留管理局提供

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 入国が許可されない外国人らが過ごす成田空港の出国待機施設の収容人数を増やすため、法務省が二〇一九年度中の拡充を計画している。入管難民法に基づく上陸拒否者数が急増しているためだ。入国審査関係者は、不法就労目的などの上陸拒否者はさらに増えるとみており、今後も対応を迫られる可能性がある。

 法務省によると、全国の空港や港の上陸拒否者は一二年に二千四百八十七人だったが、一八年には九千百七十九人に増加。背景に、外国人旅行者を増やすためビザの発給要件が緩和されている一方、旅客機の乗客予約記録を活用し不審な人物を事前に把握するなどして、入国審査を厳格化していることがあるとみられる。

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 一八年は、不法就労を計画しているのに観光や知人訪問などと入国目的を偽っていると疑われた事案が八割近かった。成田は全国の上陸拒否者のうち半数前後を占める。

 成田の出国待機施設は、ターミナルビル内に男性用と女性用の二つがあり、定員は計約三十五人。収容しきれない場合、警備員を付き添わせて搭乗ゲート付近で過ごさせることがある。新たな計画では一つに統合した施設をビル内の別の場所に造る。

 定員を約五十人に増やすことや、家族らが一緒に利用できる部屋を設けることを検討している。

 出国待機施設は仙台、羽田、中部、関西、福岡の五空港と博多港にもある。上陸拒否者の大半は施設に数時間から数日間滞在した後、出国しているが、応じない一部の人には退去強制の手続きが始まり別の収容施設へ移される。

 海外便が乗り入れていても専門施設がない空港や港ではホテルなどで待機させることがあり、関係者は逃亡のリスクや経費増を懸念する。

 政府は改正入管難民法を一日に施行。新たな在留資格の創設で、五年間で最大約三十四万五千人の外国人労働者受け入れを見込む。入国審査関係者は「不法就労が目的なのに、日本にいる労働者への訪問だとかたって訪日しようとする人が増えるのではないか」と指摘。法務省の担当者は「成田以外でも、必要があれば対応を検討しなければならない」と話している。

<上陸拒否> 入管難民法に基づき、外国人の入国を拒むこと。国内または国外の法令に違反し1年以上の懲役や禁錮刑などを受けた場合などは入国できない。速やかに国外へ退去しなければならず、その責任は原則として利用した航空会社や船舶会社が負い、費用を個人へ請求する会社が多い。2007年に入国審査時の指紋採取、顔写真撮影が義務付けられ12年までは減少傾向。その後6年連続で増加し、18年は9179人のうち中国が最多の2092人でタイ、インドネシアが続いた。

 

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