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【社会】

<統一地方選>区長選 刷新より堅実選ぶ

 「夢や希望があふれる区をつくる」「世界に誇れる区に」−。統一地方選後半戦で二十二日、翌日開票された江東、大田、江戸川区の都内三区長選では、当選を果たした候補が新時代に向けたまちづくりについて口々に抱負を述べた。勝ち名乗りを上げたのは二人の現職と、現職の後継指名を受けた新人で、二十一日に開票された八区長選と同様に、変化より手堅さを望む民意が示された形になった。

◆現職後継指名 江戸川・斉藤さん初当選

江戸川区長選で初当選を確実にし、支持者と笑顔で握手する斉藤猛さん(右)=東京都江戸川区で

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 無所属新人の三つどもえとなった江戸川区長選は、元区教育長の斉藤猛さん(56)=自民、公明推薦=が、共産党都委員会職員の沢田俊史さん(68)=共産推薦=らを破り、初当選した。

 午前十時すぎ、区役所近くの事務所に当選確実の知らせが伝わった。斉藤さんは支持者を前に「きょうがスタート。誰もが安心して暮らせて、夢や希望があふれる江戸川区をつくっていく」と抱負を語った。日に焼けた表情で目を潤ませながら花束を受け取った。

 選挙戦では、福祉の充実や災害に強い街づくりを掲げ、「今の区政を引き継ぎ、時代に合った新しい江戸川区を目指す」と訴えた。知名度不足を補うために区内全域で街頭に立ち、各連合町会の支援も得て着実に票を積み重ねた。

 区教育長だった昨年八月、五期二十年務めて今期限りで引退する多田正見区長から後継指名を受けた。責任の重さに悩んだが、「区の発展につながるのなら」と決断した。多田区長も、自身が区教育長だった一九九九年に当時の区長から後継指名を受けて立候補し、初当選している。これで二代続けて教育長が区長に就任する形となった。

 沢田さんは「福祉や教育、文化の江戸川区に転換する」と区政の刷新を主張したが、出馬表明が告示五日前と出遅れ、及ばなかった。

◆東京五輪控え 江東・山崎さん4選

江東区長選で4選を決め、支持者らに拍手で迎えられる山崎孝明さん=東京都江東区で、いずれも22日

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 江東区長選で、無所属現職の山崎孝明さん(75)が4選を果たした。ともに無所属新人の吉田年男さん(71)と遠藤洋平さん(39)の挑戦を退け、「前回の得票を上回り、区民の『頼むぞ』という思いと受け止める。期待に応えるべく、区民のために世界に誇れる区をつくりあげていく」と抱負を述べた。

 山崎さんは自民、公明の推薦を受けた。選挙戦では、23区で最多となる10カ所の競技会場を抱える東京五輪・パラリンピックについて「レガシー(遺産)を次の世代に生かさないといけない」と主張。都議時代に招致議員連盟会長を務めて思い入れも深く、「大会後に区民がいい街になったと感じられるように」と訴えた。

 公約に子育て環境の充実や災害対策、全小中学校体育館への冷暖房設置などを掲げたほか、区の悲願とされる地下鉄有楽町線の延伸(豊洲−住吉間)も盛り込み、「前進させたい」と訴えた。

 共産の推薦を受けた吉田さんは区政転換による住民福祉の充実を掲げ、遠藤さんはしがらみのない立場からの行政改革を訴えたが、3期12年の実績をアピールした山崎さんに及ばなかった。

◆多選批判超え 大田・松原さん4選

 現職に新人2人が挑んだ大田区長選は、自民、公明の推薦を受けた無所属現職の松原忠義さん(76)が4選を果たした。自らが提案した、区長の任期を連続3期までとする「多選自粛条例」を撤回して出馬。3期12年の実績をアピールし、有権者に理解を求めた。

 大田区は、日本の玄関口・羽田空港を抱え、多くの町工場が集まるものづくりのまちでもある。羽田空港の沖合展開に伴う跡地開発が進み、東急蒲田駅と京急蒲田駅をつなぐ新空港線(蒲蒲線)の実現に向け、整備主体の第三セクター設立の動きも進んでいる。松原さんは期間中、「21世紀の礎を築いていく選挙。実行力のある、経験のある人を選んでほしい。いままでやってきた私以外に絶対できない」と訴えてきた。

 立民、共産、自由、社民の推薦を受けた東大名誉教授で無所属新人の神田順さん(71)と元区議で無所属新人の岡高志さん(43)は「トップダウンで物事が決まる」「区政が硬直化している」などと多選の弊害を指摘し、区政刷新を訴えたが及ばなかった。

 松原さんは公務のため、夕方に区内の事務所で、支援者に当選の報告を行う予定。

 

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