東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

一瞬で私たちの未来奪われた 池袋暴走 妻子亡くした男性会見

亡くなった松永真菜さんと長女・莉子ちゃんの遺影を前に事故への思いを語る男性=24日午後、東京都千代田区で

写真

 東京・池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)の乗用車が暴走し、松永真菜(まな)さん(31)と長女莉子(りこ)ちゃん(3つ)が死亡した事故で、松永さんの会社員の夫(32)が二十四日、都内で記者会見し、「少しでも運転に不安がある人は運転しないという選択肢を考えてほしい」と声を震わせた。 (福岡範行、奥村圭吾)

 「たった一瞬で、私たちの未来は奪われてしまいました」

 夫はうつむいたまま沈痛な面持ちで冒頭四分間、事故への思いを語った。その後、質問に答えた。

 目の前の机には、妻と娘が晴れ着姿でほほ笑む写真が置かれていた。今年二月ごろ、七五三のお祝いで撮影したという。

 莉子ちゃんは人見知りだったが、最近、友達が数人できた。「これからどんどん友達ができればいいな」と成長を喜んでいた。今年に入ると、一〜十まで数えられるようになった。「本当に宝物で、何にも代えられない存在でした」

 沖縄県出身の真菜さんとは、遠距離恋愛を実らせて結婚した。「笑顔がすてきで優しくて、子ども思いで、素晴らしい女性でした」。腎臓の具合が悪い夫のために健康的な料理を作ってくれたという。

 最後の会話は事故が起きた十九日の昼休み。日課のテレビ電話で「定時で帰るよ。待っててね」と伝えた。惨事は、その約二十分後のことだった。

 事故直後は、妻と娘の名前や写真が報じられることを望まなかった。しかし、「たった数秒で命が奪われてしまったことを少しでも頭に残してほしい」と考えるようになり、写真の公開を決めた。

 二十四日午前、豊島区の斎場で告別式が開かれた。夫は、最愛の妻と娘との最後の別れで「心からありがとう。幸せだったよ」と伝えたという。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報