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【社会】

ジャパンライフ一斉捜索 12都県30カ所 預託商法解明へ

「ジャパンライフ」の関係先に家宅捜索に入る捜査員=25日、東京都文京区で

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 磁気治療器などの預託商法を展開し、約二千四百億円の負債を抱えて破綻した「ジャパンライフ」(東京、破産手続き中)を巡り、警視庁など六都県警の合同捜査本部は二十五日、特定商取引法違反(事実の不告知)の疑いで、山口隆祥(たかよし)元会長(77)の自宅や全国の販売代理店など十二都県の約三十カ所を家宅捜索した。巨額の消費者被害を生んだ預託商法の全容解明を進める。 (木原育子)

 同社は一つ数百万円の磁石入りベストなどの購入を勧誘。顧客に購入させた磁気治療器を預かり、別の顧客に貸し出して年6%の収入を支払うレンタルオーナー制度を展開していた。

 捜索容疑では、二〇一七年八月ごろ、都内の六十代女性と契約する際、同社が大幅に債務超過に陥っている事実を故意に告げなかったとされる。

 合同捜査本部は、同社が新規契約者から得た金でオーナーへのレンタル料を支払う自転車操業だったとみて捜査。消費者庁によると、契約より大幅に少ない在庫商品しか保有しておらず、詐欺容疑に当たる可能性も視野に調べる。

 一七年の同社資料によると、全国七十八店舗、従業員約七百六十人、顧客は高齢女性ら約七千人に上った。

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◆84歳4500万円損害「信頼裏切られた」

 「信頼していたのに、裏切られた気持ちでいっぱい」。西日本在住の女性(84)は磁気ベストなどを購入し約七千五百万円を支払ったが、ジャパンライフの破綻で約四千五百万円の損害を受け、悔やんでいる。

 女性は二〇一一年、夫を六年間の介護の末、亡くした。子どもはおらず、独りぼっちに。喪失感に暮れていた一二年二月ごろ、知人に声を掛けられた。「足腰の血行がよくなるわよ。無料のエステに行こうよ」

 案内されたのはジャパンライフのサービスステーション。会員の男性から健康に関するセミナーに誘われ、車で送迎してもらった。大勢の高齢者が参加しており、安心感を持った。

 翌日、会員の男性から呼び出され、預金の預け先を聞かれた。男性は「郵便局や農協は危ない。うちに預けたら、年6%の利息が支払われる」と誘った。

 女性は車で送迎してもらったり、山口隆祥元会長を紹介してもらったりしたことから男性を信用。郵便局や銀行などの預貯金を解約し、一四年一月までに計約七千五百万円を支払った。男性らが窓口まで一緒に行き、解約を促したという。

 同社は、磁気ベストなどを購入し、別の人にレンタルして得た金を返還すると説明。女性は、しばらくはレンタル料として年6%の支払いを受けた。しかし、購入したはずの現物を見たことがなく、誰に貸しているかも知らされなかった。

 ジャパンライフが一六年十二月、消費者庁から業務停止命令を受けた頃には、レンタル料の支払いが滞るように。同社は一七年十二月に倒産、昨年三月には、破産開始決定を受けた。

 夫の生命保険金や、老後の備えにコツコツとためてきた資産を失った女性は今、体調を崩し、施設で暮らす。「お金は絶対に返してほしい」と訴えている。

 

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