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【社会】

現代アートで改憲を問う 造形作家・中垣さん 来月3日から東京都美術館で展示

星条旗と旭日旗を重ね合わせた作品について話す造形表現作家の中垣克久さん=いずれも神奈川県内のアトリエで

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 安倍政権の改憲意欲が高まる中、憲法9条の危機を現代アートで訴える東京都在住の造形作家中垣克久さん(75)の新作が完成した。米国の戦争に巻き込まれる恐れを、旭日(きょくじつ)旗に星条旗をダブらせたデザインで表現した。憲法記念日の5月3日から東京都美術館(台東区)で展示される。 (宇佐見昭彦)

 新作の題は「時代(とき)の肖像−9条改憲に伴って発布される新しい日本国旗」。縦一・三メートル、横二・三メートルのビニール地に、旧日本軍の軍旗で現在は自衛隊の艦艇が使う旭日旗と、米国の国旗をあしらった。

 「九条が改憲されたら、日本は米国の使いっ走りになる。戦争をドンパチやって、同じ過ちを繰り返す。それを国旗で表現した」と語る中垣さん。「パロディーなんですけどね、誰も笑わないんですよ。笑って見てもらいたい。排除されるのが一番嫌なので」

 中垣さんは五年前、九条改憲への危機感を表現した別の造形作品の中に「靖国神社参拝の愚」などの文言があるのを問題視され、都美術館から「政治的だ」と撤去を求められた。やむなく、その文言を含む紙片を作品から外して撤去は免れたが「表現の自由」の在り方が議論を呼んだ。

 今回、もう一つの新作は「時代(とき)の肖像−競争文化の埋葬」。棺おけに「競争」の象徴として五輪のマークや金、銀、銅メダルの模型を入れ、葬儀の出棺時のようにたくさんの花を供えた。

 「競争は人間を愛から遠ざける。仏陀(ぶっだ)もキリストも宮沢賢治もホセ・ムヒカ(前ウルグアイ大統領)も、そう教えている。これはオリンピックのお棺ではなく、競争に支配された強欲な人間社会の論理を埋葬するお棺なのです」

 作品は「第3回現代造形表現作家フォーラム展」(東京新聞後援)で十日まで、都美術館のギャラリーAで展示する(七日休館)。入場無料。

お棺に五輪のマークなどを入れた「時代の肖像−競争文化の埋葬」

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