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【社会】

元号3代一家 改元に寂しさ

自筆の名前を掲げる伊藤明治さん(手前右)と、その子や孫。手前左が平成君=名古屋市天白区で

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 平成から令和への改元が近づく中、名古屋市天白区在住の小学五年生、伊藤平成(へいせい)君(10)は寂しさを隠せない。「僕の名前の時代が終わってしまう」。父は会社員の昭和(しょうわ)さん(51)、祖父は明治(めいじ)さん(79)という「元号一家」に育った。昭和さんは「自分も元号が平成になったころ、違和感しかなかった」と長男の心情をおもんぱかる。 (垣見洋樹)

 平成君は二〇〇八(平成二十)年六月生まれ。野球チームで活躍するスポーツ少年だ。令和について「昭和の和が入っていて、昔に戻ったみたい。平成の方が格好いいよ」と正直に語る。学校では友達から「名前を令和に変えるの?」とからかわれるが、「変えない。変えたくない」と答えている。

 平成は、平和の「平」が入っていることが気に入っている。友達からは「ヘイセイ」「ヘイちゃん」などと呼ばれる。学校が各家庭に配布する「学年だより」の発行年月日欄にいつも自分の名前が記されていたが、令和に変わると思うと「不思議な感じ」だという。

 母陽子さん(42)は天皇陛下の退位に伴って元号が変わることを教え、「めったにないこと。そんな時代の名前が付いているのは素晴らしいことだよ」と声をかけたという。

 明治さんは一九三九(昭和十四)年生まれ。「父が明治天皇を尊敬していたから」と父の死後に母から命名の経緯を聞いた。「明治チョコレート」とからかわれたこともあるが、「すぐに名前を覚えてもらえる」と気に入った。

 六八(同四十三)年、生まれた息子に昭和と名付けたことを「書きやすいし、響きもいい。ぱっと浮かんだ」と振り返る。その昭和さんも「みんなすぐ覚えてくれた」。息子が生まれたら元号の名前にしようと決めていたという。長女の四年生弥生(やよい)さん(9つ)、次女の二年生あす花(か)さん(7つ)も時代にちなんだ名前だ。

 一家では平成君が将来に子どもができたとき、令和と名付けるかどうかが話題に。もちろん両親らは「付けたら」と勧める。今は平成が過ぎ去ることを惜しむばかりの平成君は「やだよー」と口をとがらせるが、「大人になったら、令和を好きになるかも」とも。

 明治さんは子どものころ、名古屋空襲を避けるために疎開した経験がある。「令和も戦争がなく、子どもたちがすくすく育つ時代になってほしい」と願う。

 

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